日本中がコロナ一色になっている中で、敵基地攻撃能力の保有を政府に促す提言案を自民党がまとめたと先月末に報道された。

提言によれば、「相手領域内でも弾道ミサイル等を阻止する能力の保有を含めて、抑止力を向上させるための新たな取り組みが必要」だという。

 

政府はこれまで、敵基地攻撃能力に関しては、憲法上認められるものの専守防衛の観点から政策判断として保有を認めない、としてきた。

今回の提言は、「相手領域内でも弾道ミサイル等を阻止する能力の保有」とある。これはまさにこれまで保有を認めないとしてきた敵基地攻撃だと思うけど、これをまとめた検討チーム座長の小野寺元防衛相は「過去の考え方を踏襲している」という。「敵基地攻撃能力」という文言を使っていないのがミソらしい。

 

報道によれば、これまでも自民党は、「策源地攻撃能力」(2013年)、「『反撃』を重視した敵基地反撃能力」(2017・18)などの保有を提言してきたけど、「防衛計画の大綱」に反映されたことはないという。防衛省は提言を取り入れなかったということみたいだ。

けど今回はどうなるだろう。

公明党は反対姿勢を崩していないというけど、安倍首相自身は、敵基地攻撃能力をの保有を含む国家安全保障戦略の再検討に強い意欲を持っているという。

この提言は、4日、党本部の成長審議会で了承され、安倍首相に提出された。政府は、新たな国家安保戦略を取りまとめる国家安全保障会議でこの提言も議論、9月中に方向性を示す方針だという。

 

コロナ一色の夏、国会も閉じている。知らぬ間に、国の安全保障政策を根本から転換させるようなことになってたりしないだろうか。

 

敵基地攻撃能力を持つことで日本は今以上に安全になるんだろうか。

集団的自衛権を解釈で認めたときも、米国の戦争に巻き込まれる恐れが高まると批判されていたけど、敵基地攻撃能力を持つことで、そのリスクはより高まらないだろうか。米軍との盾矛の役割分担も根本から転換するということなんだろうか。

 

ミサイルが一箇所だけから発射されるというならともかく、可動式の発射台だの潜水艦からの発射だの言われていたけど、二箇所目三箇所目からの発射まで防ぐことができるんだろうか。

とりあえず「敵基地攻撃能力」を持てれば安心、なんて単純なものじゃないんだろうということは素人にもわかる。一旦持つと決めたら、ミサイルとミサイル防衛が鼬ごっこだったように際限ない能力向上、際限ない税金投入へと進んでいくんじゃないだろうか。

 

イージス・アショアをやめることで穴が開いたから「敵基地攻撃」ってのはちょっと飛びすぎな気がする。