あえて厳しい都市封鎖などの手段をとらず、「集団免疫」獲得路線を取ってきたスウェーデン

今日の東京新聞に、「スウェーデン式ほころび」という記事が載っていた。

100万人当たりの死者数は、英国などに比べれば少ないものの、スウェーデンは北欧4カ国の中では突出して多い。人口1千万で、死者数は五千人超え、その9割が70歳以上だという。

 

医療崩壊を起こさないために、「高齢患者をむやみに病院に連れて行かない」というガイドラインを現場に通達していたというスウェーデン。集中治療室に運ばれた患者のうち70歳以上は約22%、80歳以上は3.5%だったという。スウェーデンは従来からICU治療の適応が厳しく、今回のパンデミックでより厳格な線引きがされたということらしい。

 

記事には、欧州各国が都市封鎖中だった4月20日のストックホルムのレストランの写真が載っていた。マスクをつけることもなく、席間の距離をとることもなく、レストランでいたって普通に食事をする人たちのワンシーンを切り取った写真。写真中央では多分20代くらいの若者が飲み物のグラスを片手に笑いながら会話を楽しんでいた。

なんでもない日常のワンシーンではあるんだけど、死者の9割が70歳以上で、むやみに高齢者を病院へ連れて行かないという国の方針を知ってみると、それは途端に重苦しい光景に見えてくる。限られた医療資源を合理的に使うということなのかもしれないけど。

年齢で線引きをするということを受け入れるのはなかなか難しい。けど、スウェーデンで暮している日本人ドクターの、日本では低所得の若者が医療の面で切り捨てられる場合もあるという指摘(ネットのインタビュー記事で読んだ)も考えさせられてしまう。

 

 

新型コロナウィルスの集団免疫は、人口の6割以上が感染して抗体を得ることで獲得できるという。スウェーデンの首都ストックホルムの抗体保有率は7.3%、希望者を対象にした民間の検査でも14%だという。

東京の0.1%に比べれば高いけれど、都市封鎖などをせず集団免疫を目指した国にしては、意外に低いような気がする。このまま6割を目指すなら、さらに死者が増えることになるんだろうか。

記事によれば、スウェーデンは経済的にも今年のGDPの伸び率は6.7%減で、ユーロ圏の9.1%減、英国の11.5%減に比べればマシだけど、大きく落ちこむことには変わりない。

 

中国での調査研究によると、このウィルスに関しては、感染で作られた抗体が発症から数ヶ月後には低下するという。ヤフーニュースの個人ブログ記事(日本の感染症専門医の方が書かれた記事だった)で、この研究についてわかりやすく書かれていた。

中国のこの研究によれば、回復期(退院から8週後)には、無症候性感染者の40%、有症状者の12.9%でIgG抗体が陰性になるという。

ただ抗体というのはヒトの免疫の一部に過ぎないので、早期に抗体が低下するのだとしても、それが即集団免疫は無理、ということにはならないらしい。

抗体の低下と再感染・発症のリスクが相関関係にあるともないとも、現段階ではまだわかっていないみたいだ。

 

実際は感染していたんだけど無症状だったという人が割と早期に抗体検査で陰性になるんだとしたら、先日の東京0.1%という抗体検査も、スウェーデンの7.3%も、どう捉えたらいい数字なのかわからなくなる。

抗体が低下しても、再感染や発症のリスクは上がらないならいいけれど、抗体低下はリスク上昇という関係だとしたら、なんだかホントたち悪い。