5日に、出席者の発言の詳細な記録を残していないことが明らかにされた、新型コロナ対策を実質的に決めているとされる政府の連絡会議。

報道によると、おととい10日に、立憲民主の蓮舫参院幹事長の要求により、その会議録3日分(2月15、26、27日)が開示されたという。開示されたのは、日時・場所・出席者、議論の概要を記載した文書と説明資料みたいだ。

 

2月15日の会議は、首相・関係閣僚・省庁幹部ら16名が出席、主要議題は「ダイヤモンドプリンセス号」対応。51分開かれた会議の概要として記載されていたのは、外務省と厚労省説明が計6行。

26日20分、27日30分の会議も同様に、省庁の説明だけが記載されていたという。

 

首相や関係閣僚の発言内容は記載はないという。

 

蓮舫議員の「連絡会議で政策の変更を議論しているのであれば(詳細な議事)を残して欲しい」(11日参院予算委員会)という求めに、菅長官は「(行政文書管理の)ガイドラインに従い適切に対応している」と述べたという。それは、つまり、議事録を作らなくても問題ない、ということを意味するようだ。

 

政府の新型コロナ会議4つのうち、対策本部と基本的対処方針諮問委員会の議事録は作成され、専門家会議と連絡会議の議事録は作成されない、ということらしい。

 

 

 

公文書管理のガイドラインによれば、「審議会等や懇談会等」は議事録を作らなくちゃいけない。新型コロナの専門家会議が、懇談会に該当することは政府が認めている。だとすれば専門会議の議事録は作成しなきゃいけないはずだけど、作らない。公文書ガイドラインの違反じゃないか、と思うけど、そうじゃない。ガイドラインに従った適切な対応だと菅官房長官はいう。

 

その謎をとく鍵は「歴史的緊急事態」というワードらしい。

 

公文書管理のガイドラインでは、「国家・社会として記録を共有すべき歴史的に重要な政策事項であって、社会的な影響が大きく政府全体として対応し、その教訓が将来に生かされるようなもののうち、国民の生命、身体、財産に大規模かつ重大な被害が生じ、または生じる恐れがある緊急事態に政府全体として対応する会議その他の会合については、将来の教訓として極めて重要であり、以下の通り、会議等の性格に応じて記録を作成するものとする。」とあり、そのような緊急事態を「歴史的緊急事態」と名付けている。

 

 

今回の新型コロナウィルスのパンデミックを政府は「歴史的緊急事態」に指定した。

 

 

「国民の生命、身体、財産に大規模かつ重大な被害が生じ」、ってまさに今回の事態だし、感染症パンデミックのリスクは今後も繰り返すと言われているから、「将来の教訓として極めて重要」ってのも、納得。

 

そこまで言われる「歴史的緊急事態」の記録文書なんだから、平時ならA4用紙1枚の概要で済むところを「議事録」にランクアップ、って感じの方向に厳しくなるのかと思いきや、現実はそうじゃない。

「歴史的緊急事態」に指定された場合、会議などについて「政策の決定または了解を行わない会議等」と「行う会議等」という区分けされ、「行わない会議等」は発言者と発言内容の記録は求められていない。連絡会議と専門家会議を政府は「行わない会議等」に区分けしているので、議事録を作らなくても問題ない、ということになってしまうってことらしい。

 

 

記録を残そうという意志がとことんないんだろうなあ、と思う。