「望んだ治療かなわず」という記事が朝刊(東京新聞)に載っていた。

都内の病院に長期入院中、新型コロナ感染症に集団感染。アビガン投与や治療環境の整う病院への転院を希望するもかなわないまま亡くなった74歳の女性の息子さんに取材した記事だ。

 

病院は当初転院を複数の病院に打診、紹介状などの準備を進めていたにもかかわらず、保健所の指導で陽性患者を院内で治療する方針に変更したという。女性の陽性が判明したのは4月初旬。女性は人工呼吸器を装着するような病状で、ECMOなどの装備の整った病院へ転院を希望してのにかなわなかった。

4月中旬から下旬にかけて都内の基幹の救急救命病院の受け入れ制限がニュースになるなど新型コロナの感染拡大で医療施設の逼迫が報道されていた。

装備の整う専門的な病院はどれほどのキャパがありどれほどの患者が受け入れられられたんだろう記事からはよくわからなかったけど、当時保健所はどのような指導をしていたんだろう。

軽症者は施設や自宅、中症・重症者は入院。その頃も今もそんなアバウトな知識しかない。患者さんたちは、どのような病院でどのような治療を受けていたのか。亡くなった人たちの報道はあまり見かけないような気がする。

 

記事の女性は、家族がアビガン投与を訴えたものの、それもかなわなかったという。

感染防止のため面会禁止となった3月上旬から家族は会えない状況が続いたという。女性が亡くなったのは5月初旬というから、約2ヶ月。会うことも、望んだ治療を受けさせることもかなわないままの最期。ご本人ご家族の苦しみは想像を絶する。支える医療スッフもどれほど辛い思いをしたろう。

 

 

記事によれば、【アビガンの使用は、藤田医科大(愛知)などが進める臨床研究に病院が参加し、患者が同意した場合などに投与できる。】という。この病院では、【「院内の治療は保険適用の薬のみで、臨床研究に参加して初めて投与できる倫理委員会の仕組みはなく、審査の経験もない。複雑な書類申請の鉄できはハードルが高い」】と取材に回答したという。また、この病院は院内感染のピーク時に、アビガンの積極的な使用を保健所と都に掛け合ったものの「難しい」という返事で、【「倫理委の手続きを藤田医科大などが代行してくれる仕組みも知らされなかった」と説明した。】という。

 

 

そのアビガンは、これまでの観察研究で安全性に関して問題となる新たな副作用の報告はないものの、「臨床研究の結果を評価する第3者委員会が、科学的に有効性を評価するのは次期尚早との考え方」を示し今月中の承認は見送られ、来月以降も治験を継続すると5月26日に報道された。

藤田医科大学の26日の発表では、投与14日目に、軽症者の88%、中等症の85%、重症の60%が症状が改善したという。ただ、厚労省の診療の手引きによると、何らかの症状が出た人の8割は重症化せずそのまま回復するので、軽症者の9割が回復したことについて、藤田医科大の土井教授は「アビガンによる効果であるかは判断できない」という。これは中間報告で、【アビガンを使わない患者の治療結果がないので、薬の有効性を比較検証できない】と朝日新聞デジタルにはあった。

いつになったら「薬の有効性を比較検証」した結果が出るんだろう。一体アビガンは現場ではどのような評価を受けているんだろう。素人にはわからないことばかりだ。

報道によれば6月11日からロシアでは、アビガンのジェネリック薬を新型コロナ治療で投与が開始されるという。