検事長の定年延長の報道を見て

黒川検事長の定年延長問題で、政府答弁が迷走してるみたいだ。

 

検察庁法には、検事は63歳、検事総長65歳という規定があるだけで、検察官の定年に延長に関しては定めがないという。

政府は、1981年以来ずっと、国家公務員法の定年延長は検察官に適用されないという見解をとってきた。

 

それが突然、この131日に黒川東京高検検事長の定年延長が閣議決定された。この決定は、検察周辺業界の人たちにとって大変ショッキングなものだったようで、新聞やネットなどで結構批判的な記事を目にした。

刑事訴訟法で強大な権力を与えられている検察官については検察庁法に従うべきであり国家公務員法を使うのは違法だという指摘もされていた。

 

批判を浴びる黒川検事長の定年延長に関連して、210日に、森法務大臣は1985年の改正国家公務員法施行時に、検察官の定年延長が可能になったと明言した。

けど、212日には、国家公務員法の定年延長は検察官に適用されないとする81年の政府見解を、現在まで引き継いでいると、人事院の局長が答弁した。その後の国会での質疑を見ていると、森法務大臣は、この政府見解についてはこの時知らなかったようだ。

 

13日には、安倍首相が衆院本会議の場で、黒川氏の定年延長の閣議決定に際し、国家公務員法の解釈を変えたと明言した。

 

213日の時点で、人事院は、検察官の定年延長に国家公務員法は適用されないと言い、

森大臣は、85年に検察官の定年延長が可能になったと言い、首相は、閣議決定の際に検察官の定年延長に国家公務員法を適用すると解釈を変更したと言っていた。

 

検察官に国家公務員法の定年延長は適用されるのかどうか、されるとしたらそれは1985年からなのか2020年からなのか。この時点で、政府の公の言い分が3者3様という状態だったみたいだ。

そんなことがあっていいわけないと普通は思うけど。この政権では普通は異常、異常が普通ってことが結構あるから、これも普通のことなのかも。

 

それでもさすがに33様は放っては置けないみたいで、結局19日には国会の審議の場で人事院の局長が、わずか1週間前の自身の答弁(81年の政府見解を「現在まで」引き継いでいる)を覆し、検察官の定年延長に関する法解釈の変更を124日に了承したと説明した。112日の自身の答弁との矛盾については「現在まで」という部分を「つい言い間違えた」と答弁。

黒川検事長の定年延長をしたい、となったら、81年から続く政府見解などどうでもいいらしい。(と言ってもその政府見解の存在を、森法務大臣自身は2月10日の時点では知らなかったみたいだけど。)40年近く保たれてきた政府見解を突然ひっくり返す形で法解釈する荒技を平気で繰り出す。

 

国会で官僚が「つい言い間違えた」って。もうホント異常が普通だ。官僚がつい言い間違えたと答弁を覆したことは過去にどれくらいの例があるんだろう。

20日には、森法務大臣が、定年延長を可能にした法解釈の変更について、「85年から可能」と「閣議決定前の124日」の矛盾を解決するためになのかどうか、85年には制度はあっても適用されないという解釈で、今回、制度がありそれを適用できると解釈した」という答弁を繰り返したらしい。

 

 

検察官の特殊性を考えると、一般の公務員とはその取り扱いはおのずから別にすべきだという解釈は、国家公務員法施行の当時からのものみたいだ。

検察とは?司法の独立とは?なんてとこから考えなければならに問題のようだ。定年の延長についての政府見解は1981年のものだけど、一般の公務員とは扱いを別にすべきという解釈は、検察庁法の後に国家公務員法が施行された時以来の、ほとんど戦後ずっと変わらずにきた考え方みたいだ。

 

長い歴史がある考え方だとしても、時代に合わなくなったというなら、変えればいいと思うけど、担当大臣の答弁が国会で迷走するような適当さで変えていいとはとても思えない。

検察庁法なんて法律自体、今回の件で初めて知ったにわかの自分さえ、こんな簡単に適当に変えてしまっていいはずがないと、心底思う。

本当にこんなんでいいんですか?