トランプ大統領の中東和平案の報道を見て(2)

トランプ大統領の中東和平案を、アラブ連盟は「不公平」と批判、1日の緊急外相会合で、実現への協力を拒否する共同声明を決議したという。

声明では和平案を「30年間の平和努力の後退」と表現。

以前に比べると、アラブ諸国にとってパレスチナ問題の重要性は低下していると言われるけど、トランプ案はさすがに受け入れがたいものみたいだ。

会合で、パレスチナ自治政府は、イスラエル・米国との間で治安協力を含むすべての関係を断つと述べたという。

報道によれば、2017年7月にもアッバス議長は、アルアクサ・モスクをめぐる問題で、イスラエルとの治安協力を停止すると発表したことがあるという。この時は治安協力は年内に再開されたけれど、停止期間中も日常的な接触は継続、活動の95%は継続されていたという。今回はどうなるんだろう。

 

 

4日、欧州連合は、和平案は国際的合意の基準から逸脱していると指摘、「最終的な地位に関する未解決の問題は、両当事者間の直接的な交渉を通じて解決される必要がある」とし、ヨルダン川西岸のユダヤ人入植地のイスラエル併合が実施されれば問題は避けられないと、イスラエルの入植地併合を認めない考えを示したという。

 

トランプ政権とイスラエル以外に、誰がこの和平案を歓迎しているんだろう。

 

就任以来一貫してイスラエル寄りの姿勢を示してきたトランプ政権。2018年のエルサレムへの米大使館移転以降、パレスチナ側は、トランプ政権との接触一切経ってしまった(今回の和平案発表まで、治安協力は維持してきた)という。

一方、トランプ政権は、国際連合パレスチナ難民救済事業への拠出金を2016年の約405億円から、18年には大幅減額、19年には完全に停止したという。

和平案には、約5兆5千億円のパレスチナへの投資が含まれている。

資金を絶って困窮させておいて、目の前に札束を積んで譲歩を迫る。なんだかドラマに出てくる悪徳不動産屋のやり口そのものだ。

 

 

トランプ政権は、サウジなどの圧力を通じてパレスチナ自治政府に和平案を受け入れさせる道筋を描いていたらしい。

アラブが結束する形で和平案を拒否したことは、大統領の中東和平案にどう影響するんだろう。

 

 

先月31日には、和平案を受けて、ヨルダン川西岸のユダヤ人入植地の併合へ動き出そうとするネタニヤフ政権に対し、和平案立案に携わったトランプ大統領の娘婿クシュナー氏は、3月2日の総選挙まで拙速な対応を自重するようイスラエルに要求したという。拙速にうごくな、時機を見計らえということか。

クシュナー氏は、パレスチナがこの案を受け入れると心底考えていたんだろうか。それともパレスチナ側が拒絶するのは想定済みで、悪いのは和平案を蹴ったパレスチナという烙印さえ押せればOK、この和平案がイスラエルの入植地併合の正当化の根拠になればいいということなんだろうか。

 

 

トランプ大統領にとっては、岩盤支持層の歓心を買えればいいということなんだろうか。