対米交渉は核兵器が完成してから、の記事を読んで(1)

昨日の東京新聞朝刊に、2017年9月、6回目の核実験直後に行われた北朝鮮の国内の講演会の記録についての続報記事が載っていた。

 

北朝鮮労働党の最高機関である中央委員会の幹部の講演記録だという。
その中で、講演者は【「核武力が完成すれば米国と談判する。われわれの要求は(朝鮮戦争の休戦協定を転換し)平和協定を締結することだ」】【「平和協定が締結されれば、その日午前零時までに南朝鮮(韓国)の駐留米軍は撤収しなければならなくなる」】と述べているという。

この年北朝鮮は、最大限の圧力を受けながら、せっせと核ミサイルを開発し続け11月の「火星15」の実験をもって「国家核武力の完成」を宣言。
講演者が「核武力が完成すれば米国と談判する」と述べた通り、翌2018年にはトランプ大統領金正恩委員長が電撃会談をした。

記事では、2018年に北朝鮮が米国との対話に乗り出したことについて、制裁効果だとする見方は説得力を失い、むしろ米朝首脳会談の実現は北朝鮮の思惑通りに進んでいるのではないかと解説していた。


北朝鮮が核武力の完成後に対米交渉をするという戦略を立てて、核ミサイル開発のラストスパートをかけていたこの年、日本では衆院解散総選挙を実施した。
安倍首相は、国難突破解散だと強調して衆院を解散した。国難として少子高齢化とともに挙げられていたのは北朝鮮の脅威だ。
翌年(2018年)にはアメリカが軍事行動を取るかもしれないという報道も当時あった。

安倍首相が「最大限の圧力」と「米国と完全に一致」を繰りかえしていた頃、北朝鮮核兵器の完成後の米朝対話を戦略としていたわけだ。北朝鮮がそういう戦略ではないかという解説もその頃報道で見た覚えはあるけど、昨日の記事によれば実際そういう戦略通りに北朝鮮は行動していたということになるみたいだ。


その頃も今も素朴に疑問なんだけど、安倍政権は最大限の圧力を続ければいずれは北朝鮮が折れて交渉を欲すると、本当に考えていたんだろうか。