韓国向け半導体輸出についてモーニングショーを見て

今朝の羽鳥さんのモーニングショーでの、元経産官僚による半導体輸出規制問題の解説がわかりやすかった。

 

今回の日本側の措置は、禁輸などの経済制裁でもなんでもなく、日本政府が説明する通り、これまで輸出管理についての相互信頼に基づいて取られていた優遇措置を、個別の輸出審査という原則的な手続きに戻しただけで、報道されているような、トランプ亜流の貿易戦争?って感じのものではないという。

 

審査に90日かかると報道されているけど、実質問題がないケースでは3〜4週間くらいで完了するものらしい。
その審査も、政治的事情から恣意的に遅らせたり許可しないというようなことはないという。
なら、在庫が30日分しかなくても韓国企業にとってそれほど大きなダメージにはならないはず。ってことは日本の企業への影響もそれほどない、と思っていていいんだろうか。

 

輸出管理の優遇措置を適用するにあたって、1年に一度は輸出管理の担当者の間で協議を行い、輸出管理について互いに信頼できる状態かどうか確かめているそうだけど、この3年、韓国とはそのような協議が行われていないという。
武器に転用も可能な物質・製品の輸出に関することだから、3年間協議が行われていないという点だけでも、今回の措置はごく当然のことみたいだ。むしろ遅すぎるくらいだという。

 

仮にWTOに提訴されても、日本が負けることはありえない、という。
確かにこの人の説明の通りなら、日本の主張が道理だと納得。
韓国が買えなくて困るなら、日本は売れなくて困るということはないのか疑問だったんだけど、今日の説明の通りなら、韓国企業にとってもそれほど大きな打撃というわけではなさそう。
経済第一のように思える政権が、日本経済に打撃がブーメランしてくるようなリスクを選択するとも思えないから、それほど実体の経済に影響がないという説明はその点でもなるほどね、って感じ。


わからないのは、やっぱりなんで徴用工の問題と絡めるのかだ。
官房長官は2日の段階で、徴用工問題に言及し、信頼関係が著しく損なわれたため、信頼関係の下での輸出管理が困難になったから、安全保障を目的に輸出管理の運用を見直した、と説明していた。
政治評論家の田崎史郎さんは、今回の措置について、日本政府が報復として韓国に打撃を与えられるよう入念に考え抜いて出してきたものだという。


モーニングショーで解説された通りなら、徴用工の問題とは関わりなく、今回の措置については検討されてきたんだろうと思うけど。田崎さんの言う通りなら、韓国への報復手段を探す中で初めて出てきた手段、という印象を受ける。
それとも、輸出管理の問題として検討されていた措置を、徴用工の件で報復手段を探していた人たちが目にとめて、都合よく使ったって感じなのかな。


それにしても徴用工の問題を絡めることに何かリスクはないんだろうか。
WTOに提訴されても日本が100%勝つんだからやりたきゃやれ、で済めばいいけど。多分国際社会で日本はそれほど注目されてるわけではないから、100%勝ったとしても、WTOに持ち込まれるようなことをした日本、って印象だけが残ってしまう可能性もあるような気がする。
G20で議長国として、自由貿易を守ろう宣言をしたばかりの発表だったし。

純粋に輸出管理上の問題としてのみ外に向けて説明すれば、WTOで問題になりようもないし、国際的にもトランプ亜流などと誤解に基づく批判をされることもない。なのに、そこに政治的な主張を持ち込もうとするから、韓国に付け込む隙を与えることになるんだと、モーニングショーで玉川さんが批判していたけれど、批判するのもわかる気がする。