韓国への輸出規制の記事を読んで

報道によると、7月1日、日本政府は韓国向け輸出の規制強化を発表した。
対象はスマホなどに使われる半導体製造に必要な材料3品目。複数製品を包括的に審査・許可する方式から、個別に審査・許可する方式に切り替えるという。
これにより、審査に90日間程度かかるようになるという。

3品目の規制は4日から発動、報道によればさらに対象製品の拡大も検討されているみたいだ。強硬措置をちらつかせ韓国に行動を促す狙いだというけど、事態のさらなる悪化を懸念した慎重論も政府内にあるという。懸念する声は政府内でどれくらいの大きさなんだろう。小さそうな気もする。


韓国はWTOへの提訴も検討するという。

韓国に対する輸出規制は、2日の菅官房長官の説明によると、徴用工問題に対してG20までに韓国政府から満足な解決策が出されなかったから、信頼関係が著しく損なわれ、信頼関係の下での輸出管理が困難になった。信頼関係が損なわれたから安全保障を目的に輸出管理の運用を見直した、ということらしい。

WTOのルールでは、安全保障上の理由があれば例外的に貿易制限が認められるという。
そういえば、トランプ大統領も日本や欧州からの自動車の輸入制限をちらつかせたとき安全保障を理由にしていた。
徴用工問題で信頼関係が損なわれたことは、安全保障上の理由に当たるんだろうか。「グレー」な主張だと見る専門家もいるみたいだ。
日本が議長国としてまとめたG20の首脳宣言では「自由で公平、無差別な貿易・投資環境を実現」とある。その宣言を出してすぐの輸出規制発表。
ダブルスタンダード」の批判を免れないのでは?という指摘はもっともだと思う。


安倍首相のG20議長国会見要旨には「貿易摩擦や地域情勢について、首脳同士が胸襟を開いて話すことで歩み寄れる。」とある。首脳同士の胸襟とか言いながら、韓国の文大統領と首脳会談をしなかった安倍首相。
いうこととやることに乖離があるのはいつものことだと思えば、G20では「自由で公平な貿易」の守護者の様な顔をしながら、それこそ舌の根も乾かぬうちに、輸出規制を発表するなんてことも、驚くようなことではないのかもしれない。


日本政府が満足しなかった韓国による解決策は、日本と韓国の企業が自発的に資金を出し合い元徴用工に慰謝料を支払う、というものだったみたいだ。

河野外相は「(日韓)双方が外交的な解決策を見出し、双方が知恵を絞り出そうという韓国側の認識は、事態の重要性を全くわかっていない」と書面インタビューに答えたという。「問題の本質は、国際約束(1965年日韓請求権協定)から50年以上経って韓国側が一方的に覆したということ」で、仲裁委員会でこの問題を解決しなければならないと考えているという。けど、これには韓国が応じていない。

日本は、「一方的に覆した」こと、「50年以上経ってから覆した」こと、ただ「覆した」こと。どれが一番許せないんだろう。

 

文大統領は、「韓日協定が締結されていても、国際規範と人権意識の高まりで不幸な歴史の傷は引き続き表れ、被害者の苦痛も進行中だという事実を受け入れないとならない」という主張みたいだ。


韓国の輸出額全体の21%をしめるという半導体は、韓国経済を支える産業だという。今回の輸出規制で、韓国内では、経済への影響への懸念が広がっているという。
日本は、強硬な手段で韓国側を揺さぶり、元徴用工訴訟問題で韓国から譲歩を引き出す狙いだというけど、安倍政権にはどれくらいの勝算があるんだろう。
日本企業が影響を受けないということもないだろうし。