トランプ大統領の国家非常事態宣言の記事を読んで

金曜日、トランプ大統領が、国家非常事態宣言をした。
メキシコ国境に壁を作る金を得るために、宣言を出すことを検討してると随分前から言われてはいたみたいだけど、本当にやった。

大統領による非常事態宣言はこれまで50数回出されていて、そのほとんどは、国際紛争や人権侵害に対する資金凍結などの制裁措置を含む対外的な危機に対するものだという。議会が認めなかった予算措置を伴う政策を強行するために行うものではなかった。議会の承認なしの金を使うためにこの宣言が使われたのは、過去2回だけらしい。
1度目は、父ブッシュの時代、1990年イラククウェート侵攻に対するための湾岸戦争の資金調達の際。
2度目は、子ブッシュの時、2001年のアルカイーダによる米国本土攻撃、同時多発テロの際。
いずれにしろ2回とも、軍の金を軍の行動のために使うものだった。
今回のトランプ大統領の宣言は違う。
国境沿いに壁を作りたいという自分の政策のための予算を議会に認めてもらうための説得をやり損なった挙句の、非常事態宣言だ。

当然共和党内にも反対が根強くあるようだけど、大統領再選に向けて白人労働者ら支持者へのアピールを優先したみたいだ。
トランプ大統領は、メキシコとの国境から、不法移民、犯罪者、違法薬物が流入アメリカ人の生活を脅かしているから壁が必要だと主張してるようだけど、ここ数年不法入国者は減る傾向にあるという。違法ドラッグの流入にしても、麻薬王の裁判でも明らかにされたように、壁を作れば防げるというような持ち込まれ方はしていないみたいだ。もっともそんなファクトも、トランプ大統領にかかるとフェイクになってしまうみたいだからいくら並べても意味がないんだろう。

民主党は、「議会は憲法で定められた権限を守る」とし、宣言の無効を司法にも訴える見通しだという。

火曜日には、議会は13億7500万ドルのフェンス予算を通して、トランプ大統領もサインしたのに、非常事態宣言で80億ドルを軍予算からゲットしたという。元々トランプ大統領が要求していたのは57億ドルだというから、大幅プラスだ。


選挙で勝つために、コアな支持層だけに向けた政策を、手段を選ばずに強行する。


トランプ大統領が就任したばかりの頃、拷問を認めるようなことを口にしていたことに対して、アメリカの大統領のそんな発言は世界中の独裁政権の拷問という手段に米国大統領のお墨付きを与えるようなものだという批判をよく読んだ覚えがある。
拷問のお墨付きとはレベルが違うかもしれないけど、アメリカ大統領のコアな支持者だけに向けた行為に勇気付けられる”指導者”もいるのかな。