「諦めたら試合終了」安田純平さんの会見を見て

拘束されたのは自分の”凡ミス”だと安田さんは言った。
安田さん自身もなぜそんなミスを犯してしまったのかわからないと繰り返し語ったミス。何かおかしいと思いながら、二人組のシリア人について行ってしまった安田さん。経験豊富なジャーナリストのはずが、なぜ?と疑問に思う一方、経験豊富なジャーナリストでも陥る魔の瞬間みたいなものがあるのかもとも思う。
安田さんが、「しまった」と、取り返しのつかない自分のミスを悟った瞬間は、どの時点だったんだろう。その瞬間、安田さんの頭に最初に浮かんだのはどんなことだったろう。


1日2回の食事、トイレに行けるのはその時だけ。残りの時間は身動きひとつできない状態。日本に帰すと繰り返し言われながら、引き伸ばさ続けた40ヶ月。
1日5回のお祈りのためにイスラム教徒(2回の食事の時に加えてもう3回の動ける機会が欲しくて)になったこと。
安田さんは時折、ゲームという単語を使いながら、自分に課された制約と安田さんを拘束した犯人たちとのやりとりについて語った。彼らは禁止事項を言葉で明確に命令することはなかったと言う。彼らの定めたルール(安田さんには知らされない)を、知らないままに安田さんが破った場合に彼らが課す罰から逆に、彼らの定めた禁止事項を推測する日々。

淡々と、ときに自分の見解を交えながら事実だけを述べる安田さん。あまりに淡々と語るから、時々武装勢力の兵士たちと安田さんの出演するテレビドラマの話でも聞いてるような気すらしたけど、身動きひとつできず、罰として別の被拘束者の拷問に呻く声を聞かされる終わりの見えない日々の過酷さは想像することすら難しい。
安田さんの精神を支え続けたものは何だったんだろう。