ハイキュー!! 第315話 こうげき 感想

今回は、タイトルの字体からして研磨目線のエピソード。
それにしても音駒戦では、ハイキュー!!初期の回想シーンがよく挟まれる。ゴミ捨て場の決戦は初期からの目標のようなものだし不思議ではないのかもしれないけど、なんとなくこのまま最終回まで持っていかれてしまうような感じもしないでもない。でも、もしそういう流れになったとしたら、音駒戦が最後の試合ってのは結果いかんにかかわらずなんだかなあ、って感じがする。それだけはやめて欲しいなあ。


日向のスカッと打ち損ないスパイクは、影山のジャンンプサーブさえエースを取れない音駒の守備の隙をついたみたいだ。これなら、旭さんや田中さんもうまいフェイントを使えば決まりそうな気がする。それとも、うち損ないは読み切れないけどフェイントは読めちゃうのかなあ。
2度目のオープンは、研磨の上を抜いて決まった。
研磨は「ブロックは3枚だよ」というけど、研磨の低いブロックは日向にとっては2枚半くらいの感覚でもおかしくないような気がする。

 

今回面白かったのは、月島の解説だ。
「高く跳ぶってことは長く空中にいるってこ事」
「他のスパイカー相手の時と同じよいうなタイミングで跳べば先に落ちるのはブロッカーの方だ」

日向はバレーボールという競技においては、絶対的に不利な身長の選手だ。ミドルブロッカーとしてなんとかやっているのは主に攻撃面だ(ブロックも時々、それもここぞという時に決めるから守備の面でも貢献してるようには見えるけど)。
初期から言われていたように、高い選手と比べると、最高到達点に達するまで時間がかかるから、ブロックの完成が間に合わないという弱点がある。

「高く飛ぶってことは長く空中にいるって事」

それはそのままミドルブロッカーとしての日向の弱点だ。面白いと思ったのは、その弱点をそのままひっくり返して攻撃の肝にしてしまった点だ。

影山が日向にオープン攻撃を上げたのは、日向が練習していた(たぶん)助走の勢いをそのまま上の方向に転換する踏切(ネット巡りから得たにわか情報によれば、わりと基本の技術みたいだけど。ここで新たに習得するのは、レシーブ同様基本より即戦力優先できた日向らしい気がする)で跳べる事に賭けたからなんだろうけど、そうやって跳べれば、ブロッカーと戦えると判断したのはここで月島が解説したようなスパイカーとブロッカーのジャンプの”時間差”が日向有利に働くと考えたからなんだろう。考えたというより、影山の場合直感なんだろうけど、それを言語化すれば月島の解説になるんだろう。パワーのない日向の攻撃をどう使おうとしてるのか、先週の疑問は解けた気がする。(ついでに”勇気”は菅原さんが解説してくれた)

日向の低い身長が逆にメリットして使われたことは以前にもあった。低くても跳べる!っていうのもいいけど、低いからこその攻撃または守備の方が意外性もあって、より面白くなるような気がする。


それにしても高いトスを打つ日向は初期からチョクチョク見てきたから読者的には意外でもなんでもないんだけど、日向のオープン攻撃は研磨にとっては全くの想定外だったみたいだ。
本当に研磨は日向の速い攻撃を封じることだけに照準を絞ってきたのか?それで数点稼ぐことで烏野に勝てると計算してきたんだろうか。
旭さん田中さんには高いブロック2枚揃えをせず、日向には高い2枚を揃えてきた。日向は速い攻撃があるから?でもその速い攻撃はサーブで狙って潰してるんじゃ?
旭さん田中さんはディグで対応すれば十分ということなんだろうか。
旭さんも田中さんもなかなか決まらないとこを見ると、その計算通りなのかもしれないけど。読者としては、もやもや感は残る。

 


やっぱり研磨はかなり控えめに言っても苦手だ。
ゲームがオリンピック競技になるかもしれない時代、それはそれでいいと思うし、ゲームそのものを否定的に捉えてるわけではない。身体を使うゲームとしてバレーボールに限らずアナリストを抱える競技はあるし、身体なしには始まらないとはいえ、どんなスポーツでも頭脳戦を楽しむ部分はあると思う。
サッカーの解説者が「実は今のプレイには」とか言いながら図解で選手のプレイの意図と思考を解説してくれるのはいつだって面白い。

ハイキュー!!は選手のモノローグがあまりない漫画のように感じる時が結構あるけど、たまに入るモノローグで選手が何を考えてるのか知るのは楽しい。
でも、研磨のは苦手だ。

魔法攻撃ってなんだ?ゲーム画面的思考ってのはなあ。
研磨だって全国を本気で目指すバレー部で2年間、きっちり部活をやってきたわけだし、その割に体力はないみたいだけど、それでもセット技術はあるみたいだし、試合でその技術を発揮する程度には体力もあるんだろう。決して普段はゲームばかりやってる奴が試合のときだけその頭脳を買われてセッターとして駆り出されてるというわけではないはずなんだけど。時々入るゲームオタクとしての描写から、そんな助っ人セッターの姿を重ねてしまう。で、そんな風に思ってしまうと、そんな奴でも”曲者”セッターとしてある程度の評価を全国大会で得てしまうのでは、バレーボールってそんな程度の競技なのか、と、(自分はバレーボール競技者ではないんだけれど)思ってしまってなんだか力が抜けてしまう。

 

久々の登場の犬岡くん、ずいぶん面変わりしたこと。前はもっと幼さが残るような感じで可愛かったのに。
日向のオープン攻撃は影山にとって選択肢の一つにはなったみたいだけど、ブロック2枚高い壁を作られてしまってその選択肢はどうなるだろう。とりあえず音駒がどんな手を出してくるにせよ、烏野が一つ一つちゃんと対応していくなら特別に不満はないんだけど。影山くんは嫌そうな顔をしてるけど、音駒が出してきた2枚の高い壁をどう破るのかを、楽しみにしよう。