ハイキュー!! 第314話 最強の味方・2 感想(1)

影山、カゴの中、似合う。
それにしても、カゴの中に囚われてるくせに、囚われてる感が全然ないとこが、影山らしい。

影山にとって、この試合展開は「きゅうくつ」だったのか。でも多分、影山以上に読んでるこちらが「きゅうくつ」だったと思う。

 

「日向潰し」は、影山にとっては「速攻潰し」。影山にとって日向を使えない(のか使わないのか)のは、どういう感じなんだろう。点数的には追い込まれているはずなんだけど、相変わらず冷静な表情のままだ。
と、何回か前の話を読んで思ったんだけど、今回はその答えがあった。

 

そうか。影山は研磨の作戦を完璧に分析していたのか。
音駒の日向潰しは、日向がらみの点数を完璧にすべて削ることを目的にするものではなく、数点余分に削ることをゴールにしている。そのためのサーブでの日向狙い、助走路潰し、日向の”迷い”までもいれた研磨の計算。そんな計算と作戦を影山はプレーの最中に全部読んでいたみたいだ。日向潰しをされて、点差的にも、少しは焦った様子を見せてもよさそうなところ、この間ずっと焦る様子もなく冷静に無言でプレーを続けてると思ったら、こんな分析をしてたのか。

研磨の作戦を”面白い”と思ってたんだから焦るはずもないわけだ。この間読者としては、音駒に拾われっぱなしという印象を持って読んできたけど、影山視点では、サイドの旭・田中の攻撃は決まっていたようだ。確かに点は取れているんだから決まってはいたんだろうけど。
それでも削られてる数点をどう取り返すか。ちゃんと考えていたんだ。そりゃあそうだよね。何も考えずにセッターなんてやってられないよね。でも、それを知るまでが長かった。単行本で読めばイライラではなく、ハラハラで読めたのかもしれない。

 

今回のタイトルは、「最強の味方・2」。もともとの「最強の味方」は、第4話のタイトルだ。3対3対策の早朝体育館練習で、影山が初めて日向にトスを上げたエピソードの回。


日向の圧倒的な運動センスに気圧される影山。でも、影山にトスを上げさせたのは、その高い運動能力ではなく、(菅原さん曰く)「”勝利にしがみつく力”」だったと思う。
【・・恵まれた体格・・優れた身体能力・・そういうのとは別の武器。「苦しい。もう止まってしまいたい。」そう思った瞬間からの、1歩。】(ハイキュー!!第4話より)
技術的にはほぼ素人で、勝ちに必要だとは思えなかった日向が見せた「勝利にしがみつく力」を、影山は認め、放物線を描く高い綺麗なトスを上げた。
あの時から、影山は日向にとってずっと「最強の味方」だ。

 

この試合、前衛日向を狙ってしつこく前に落とされるサーブに飛び込んで拾い、影山が半端な状態では決してトスを上げないとわかっていても(多分日向は意識的かどうかは別にして、影山がそういう状態の自分にトスを上げることはないと少なくても感じてはいると思う)、手を抜かず、助走距離の確保に向かう日向。いつもと変わらない戦闘モードの表情を見て、影山は日向が「使える状態」だと判断したみたいだ。

日向が使える状態にあるなら、その前の”壁”を切り開くのは、セッターの仕事。それは物語の最初から一貫してる。これまでずっと相手ブロックという壁を切り開いてきた。
でも、この試合、日向にとっての壁は相手ブロッカーじゃない。音駒に邪魔される”助走”の余裕の確保だ。
そのためのオープントス。確かに、助走をとる時間がないなら時間を作ればいい。それはレシーブを高く上げることでできないのかと思っていたんだけど(実際プレーする身になってみたことがないから、それがどれほど難しいのか難しくないのかが判断できないんだけど)、オープントスでくるとは。

スパイクを打つまでに、ボールに触れるのは2回。時間を作るならそのどちらかでやるしかない。レシーブでやれないなら、トスでやればいいというのは単純なことなんだけど。
日向といえばその速さを生かすプレー(囮にしろ速攻にしろ)しか頭になかったから、意表を突かれた感がある。ちょっとびっくり。
オープンを上げるには、ブロックと対等に戦う日向のイメージがなければならないと思うんだけど。ブロックの上から打つほどのジャンプ、というイメージが影山の頭の中には描かれていたのかな。