ハイキュー!! 33巻 バケモンたちの宴 感想(3)


33巻の前半は稲荷崎戦のクライマックス。
単行本でまとめて読むと、本誌では気づかなかったことに気づいたり、まとめて読む分互いの攻防のスピード感が削がれなかったり、一話一話を本誌で読むのとは違った楽しみがあるので、毎回単行本は楽しみにいている。
とりわけ単行本ならではの楽しみと言えば、おまけの番外編や書き下ろしのイラストだと思う。

今回の番外編は、裏表紙と絡めて稲荷崎高校の「記念撮影」の見開き2ページ。
なんやかやと仲よさげな感じの稲荷崎。高校ナンバー1セッターを擁するインハイ2位のチームとして初登場時には、もっと統制のとれた強豪チームという印象を受けたんだけど、いい感じに予想が外れた。

てんでバラバラなというか、自由奔放気味な選手たちの真ん中にいる主将の北さんは、文字通り扇の要のような存在だ。

勝敗が決した後の北さんの言葉は印象的だった。今までちゃんとやってきたから、後悔はないと言い切る北さん。
『俺にとって「勝敗」は単なる副産物なのも変わらんのに、、、なんやろなあ』『どや俺の仲間すごいやろってもっと言いたかったわ』

反復・継続・丁寧をモットーに、毎日をちゃんと生活し続ける北さんにとっては、結果よりも過程に意味があるんだろう。
敗者に拍手なんか要らん、という侑にとってはそれは逆だ。
結果を求める侑(北さん以外は他のメンバーも侑と同じかも)と過程を大事にする北さん。求めるものが違う両者だけど、この試合は、両者にとって同じ意味のある試合だったような気がする。

『高揚したやろ』と『ええなあ』と北さんはまるで自分は高揚してないような言い方をする。確かに双子のような”高揚”はしなかったかもしれないけど、北さんなりの”高揚”はしていただろう、多分。試合後の侑たちの反応からすると、試合中に何回も笑う北さんは相当珍しいらしいし。北さんは、バケモンではないけれど、宴の参加者であることには変わりはない。


練習で出来ることは試合でも必ずやる、と言われる北さんのプレイを見ると、ブロックの間を抜けるような決まるはずのスパイクを綺麗に拾ったり、ブロックタイミングずらしのスパイクをきちんとつないだり、まるで音駒の守備を見てるような気になる。
おまけに、勝敗は単なる副産物、とだけ聞くと勝敗にはさほど興味がないのか?研磨と同じタイプ?と思うけれど、研磨とは違う。