オウム死刑囚処刑の報道を見て

オウム真理教松本智津夫死刑囚の死刑が執行された。
朝の羽鳥さんの番組で速報のテロップが流れ、番組はそれ以降内容が急遽変更された。

麻原死刑囚の執行の後、井上死刑囚、早川死刑囚、中川死刑囚と続いて執行。その他にも3人の死刑執行の手続きが進められ完了次第執行の見通しだという。3人も執行されれば、今日だけで7人の死刑が執行されることになる。1日で7人は過去にないことではないかと思うと、オウムの取材を長年行っているという記者が言っていた。

10時30分前には、7人の死刑が執行されたとの速報。
今年3月に、東京拘置所からオウム事件の死刑囚7人が地方に移送、執行も近いのではないかと言われていたらしい。
番組のコメンテーターは、松本死刑囚が死ぬことで神格化されることを懸念していた。

未だに残るオウム真理教の流れを汲む教団が、地下鉄サリン事件などの記憶もない若い人たちを、勧誘のターゲットにしているという。後継教団がこの死刑をどのように利用してくるのか。何らかの変化があるのか。

死刑執行の報道後、会見を開いたオウム真理教の幹部の一人だった上祐氏はによると、オウム真理教の後継教団アレフは、まだ麻原彰晃を盲信していて、一連の事件が陰謀であるとして信者を勧誘しているという。
麻原彰晃の死刑執行について感想を聞かれた上祐氏は、微妙な緊張感が落ち着くと答えた。
微妙な緊張感。
上祐氏は、10年以上前から麻原から離反し批判してきた。麻原にとっては上祐氏はいわば裏切り者だという。そういう意味での緊張感らしい。
オウム真理教がしてきたことを考えると、裏切り者が感じる微妙な緊張感てどんなものなのか想像するのもちょっと怖い気がする。

 

1審判決以降、他人と意思疎通を図ることができなくなっていたという松本死刑囚を、そのような状態のまま死刑執行することには疑問の声も出ていたという。
教祖麻原彰晃として、事件の真実について何も語ることのないままでいいのか。
治療をして正気に戻して、動機など事件の核心について解明し、犯した罪と罰に正面から向き合わせた上で死刑を執行すべきではないのかという主張は理解できる気がする。でも、一方で、地下鉄職員だった夫を殺された方が、殺された夫の両親は刑の執行のニュースを聞くことなく亡くなってしまったと会見で淡々と語るのを見たら、刑の執行がされないままの23年という年月を遺族がどのような思いで過ごしていたのか、思いが及ばないとわかっていても考えなければならないと思う。
事件の被害者や遺族の中でも、いろいろな考えがあると報道されていた。


死刑執行のタイミングについては、今年1月に最後の裁判が終わった事で、死刑執行の障害がなくなったことに加え、平成の事件は平成のうちに、という判断も働いたのではというコメントもあった。

この7人がどういう基準で選ばれたのか。ジャーナリストの青木理さんによると、これまで同時に死刑執行されるのは同一事件という慣例があったそうだけど、今回はそういうわけではないらしい。死刑確定の時期の順というわけでもないという。その辺は法相の説明待ちみたいだ。
残る6人の死刑の執行も同じようにされるのだろうか。


死刑が確定した以上いつかは刑が執行されるのだろうけど、7人一度に処刑というニュースは驚きだった。淡々と刑を執行するというより、何か強い意志のようなものがあるような気がして驚きと同時に感じた恐怖。

今この瞬間に人が処刑されてるのかもと思いながら、そのニュースをテレビで見ることの奇妙さもあった。作り物の娯楽を見るのと同じ画面で、戦場の子供達のニュースを見るのと同じような感覚がしたのかもしれない。