「残業代という名の補助金」

国会の会期延長して成立を目指す、安倍政権の目玉法案の一つ「働き方」関連法案。
最大の争点は「高度プロフェッショナル制度」の導入の是非、だという。

高度プロフェッショナル制度」とは、高収入の一部専門職を労働基準法による労働時間、休日等の規制の対象から外す制度。残業代は払われなくなる。
「過労死促進法案」などと批判されているみたいだ。


東京新聞朝刊に、「高度プロフェッショナル制度」導入推進と反対双方の専門家の話が載っていた。
導入を主張する側は竹中平蔵氏だ。

竹中氏は、「高プロ」が適用されるのは『労働者の1%くらいで、高い技能と交渉力のある人たち』で、時間ではなく成果で評価する働き方を認めるのは自然なことだという。また、過労死を防止するために、『例えば年間104日以上の休日を取れ』というような過労死防止の『精神がすごく織り込まれている』規制があるという。

反対の側の専門家は弁護士で、成果主義の賃金制度なんて法案に書いてないし、出退勤や休みの自由裁量も法案に書いてない。対象となるのは年収1075万円以上の研究開発職やコンサルタントなどと、政府は想定してるけど、それを具体的に定めるのは省令。
年間104日以上かつ4週で4日以上の休日の義務化など、裏を返せば、残り24日間24時間働かせても違法じゃなくなると批判する。


竹中氏は、『世の中の理性を信じれば、そんな(24時間働かされるかのような)変な議論は出てこない』という。
世の中には法の抜け穴を見つけて利用しようとする人たちが必ずいるということは、たぶん誰でも知っていて、竹中氏だってよくご存知のはずだろうに。世の中の理性なんて保証のないものを信じるなんてことをせず、法律に書き込んで制限をつければいいのに、と思うけど、そんなことしたら導入したい人たちにとって使い勝手が悪くなるんだろう。

反対派の弁護士さんと竹中氏が一致するのは、「高プロ」の対象が将来拡大するだろうということくらいみたいだ。

竹中さんは、「時間内に仕事を終えられない、生産性の低い人に残業代という補助金を出すのも一般論としておかしい」という。
竹中氏は、「高プロ」の対象拡大には、一定の歯止めは必要だというけど、できる限り「補助金」なんて出したくないんだろうな。

対象がどんどん拡大するという恐れは、いずれ現実になるんだろうと、竹中さんのインタビューは確信させてくれたように思います。