北朝鮮の非核化の記事を読んで

シンガポール板門店で、米朝両国の代表団が首脳会談のための実務者協議に入ったという。開くだの開かないだの色々あったけれど、結局会談は実現する方向なんだろうか。

 

報道によると、板門店での協議は北朝鮮の非核化の具体的な工程表がどこまでかけるかが焦点だという。
「完全、検証可能、不可逆的な非核化」を1〜2年以内で完了することを求め、北朝鮮への見返りは完了後だとする米国と、非核化と見返りを段階的に進めることを主張する北朝鮮

 

非核化の中身についても、国際原子力機関による厳格な査察や北朝鮮保有する核兵器の国外搬出などを求める米国に対し、具体的な自身の非核化については語らず、在韓米軍の撤収や朝鮮半島核兵器を持ち込まないことを求める北朝鮮
両者の溝を埋めるのは大変だと報道されている。

 

でも、そもそも米国が求めるように(米国が求めているのかボルトン補佐官が求めているのかよくわからないけど)そんなに短期間で「非核化」ができるのか、という記事がニューヨークタイムズに載っていた。
北朝鮮に何度も訪れたことのある専門家によると、北朝鮮の非核化には15年かかるという。
「完全な非核化」と言葉にするのは容易いけれど、実際には北朝鮮の数10にのぼる場所、数百の建物、数千人の人々をどうするのかという話だという。

 

民生用と軍事用の線引き、プルトニウムの扱い、ミサイル・核の輸出、技術者の民生用技術への転換他、問題は山積みみたいだ。そういえば、前に、「検証」一つとっても、ただの廃炉ではなく、核弾頭という兵器となった核の廃棄を検証できる専門家の絶対数が足らないという報道も見たような覚えがある。

 

記事の中にあった、放射性物質を扱うプラント1基の解体・除去に10年かそれ以上かかるという記述を読んで、時々報じられる福島第一の事故の後始末の困難な状況を思い出した。
技術的なことはわからないけど、原発廃炉と重なって「非核化」には時間がかかるということは、実感できたような気がする。

 

なんとなく「完全、検証可能、不可逆的な非核化」と繰り返されるフレーズが呪文のようで、北朝鮮と米国の間で合意できればそれでもう事は成ると思い込んでた。
実際は本気の非核化には、時間と費用がかかるという当然のことが抜け落ちていたような感じ。
福島第一の後始末にかかるとんでもない費用とは比べることはできないのかもしれないけど、時間だけではなくお金もかかるのは確かで、それは誰が負担するんだろうと想像すると、一気に身近な話になるような気がする。