ハイキュー!! 第299話 秩序と無秩序 感想

女子バレーに比べて男子でなかなかラリーが続かないのは、スパイクが段違いに速いからだという。高校レベルではまた話が違ってくるんだろうけど。
ブロックでコースを絞って、スパイカーの動きや癖を計算してスパイクコースに回り込む。梟谷戦で夜久さんのディグは、そう解説されていたけど、それはネコの専売特許というわけではなくどこのチームでもやってることだと思う。

じゃあ、音駒と他のチームでは何が違うんだろうってのがずっと謎だった。守備にかける練習量が違うのか、監督の指導法が特別なものなのか。選手一人一人の意識の持ち方も違うかもしれない。「単純ででも困難なそれ」を、音駒が「ごく当然の様に」やれるのは一体なぜなんだろう。(まあそういう設定だからと言われればそれまでなんだけど)

田中さんは結構な強打を打つんだと思うけど、綺麗に拾われてセッターに「据え膳レシーブ」を返させてしまった。さすがにリベロの真正面では仕方ないのかな。音駒の守備が仕上がり始めたと赤葦さんは言ってたけど、言い方を変えると烏野の攻撃に慣れてきたということなんだろうか。

東京予選はほとんど覚えてなかったから、ちょっと読み返して見たんだけど、フクロウの監督が、こっちの万全な攻撃には音駒もそうそう対応できないと言っていた、その言葉通り、五本指の木兎さんの攻撃でフクロウがネコを押し切った印象だ。フクロウの場合ボクトさんを支えるメンバーの力が半端なく安定してるからこそなんだろけど。
烏野には五本指も三本指もいないし、シンクロには簡単に対応されちゃったし、点差は迫るし。

田中さんのスパイクを夜久さんがかろうじてあげたボールは相手に返すだけの、烏野にとってチャンスボールになった。(結局は生かしきれなかったけど)
攻守が入れ替わっての同じ構図の場面、福永さんのバックアタックを今度は西谷さんがかろうじてあげた。普通なら音駒のチャンスボールになってしまう場面。連続得点で音駒は押せ押せになるはずっだったんだろう。
この場面で、絡め取られていく獲物を観察するような(いままでに何回も見たことがある、自身も何度か経験してるだろう光景なんだと思う)表情の大将さんや無言になってしまったギャラリーのカップル。音駒が烏野を捕まえにかかろうとしてるのを、ギャラシー席でも感じてるだろう空気感が伝わってくる。

【ただただ拾って 攻撃し返す ただし万全の体勢で。】
【単純で でも 困難なそれを ごく当然の様にやる】
【強烈なスパイク・ブロック・サーブで圧倒してくるわけじゃない】
【でも 気付けば背後に迫っている】
【それが音駒だ】

じゃあ烏野は?
烏野も単純だ。音駒よりもっと単純かもしれない。つながったボールを、ただ攻撃し返す。それがどんなに困難な状態からでも、ごく当然のようにやる。
烏野は最初の試合と比べたら、ブロックも育ってきてるし、フロアディフェンスとの連携も(音駒には遠く及ばないかもしれないけど)、スパイカーの個々の技量も、攻撃のバリエーションも、どれも進歩しているんだと思う。それでも、守備の面で見ればまだまだ安定しない。そこでどんな形にしろ繋がれたボールを影山が攻撃の形に持っていくのが烏野でそれは最初の試合から変わっていないんだと思う。烏野イコール影山というわけではないけれど、烏野には影山が居る、っていうのはなるほどなあと思う。

いつの間にか変人速攻からヘンタイ速攻になってしまっているけれど、影山・日向の速攻で16・14。

これからは、仕上がり始めた音駒の守備の上をいく対応力を、影山くんには見せて欲しいと思うけど、すんなり見せてもらえるような気はしない。
それにしても、ボクトさんと黒尾さんが影山について直接何か発言するのは、結構新鮮な感じがする。