ハイキュー!! スピードの呪縛(1)

289話「”楽”・2」では、試合最終盤で、嫌な感じに試合の流れを加速させていく烏野が描かれた。
バレーボールは流れの競技だというけれど、パスをつないで攻撃に繋げる球技だから、相手と自陣の間にできる試合の流れだけではなく、自陣の中で味方内にも”流れ”ができるのは、面白いなあと思う。

今回は悪い流れが描かれたけれど、その”流れ”をうまいこと使えば、相手のリズムを崩し試合全体の流れを変えることもできるのかもしれない。

 

嫌な感じのスピードアップというと、インハイ予選青城戦で、影山が囚われてしまったスピードの呪縛を思い出す。第1セット7点差から縮まらない場面だった。

点差を詰めようとする影山が、トスをどんどん加速していった。あの時の影山は、県内NO.1セッターの及川さんに負けまいという意識と、1人で点差を詰めようとする強い思いにとらわれて、周りに目を向ける余裕が全くなくなっていた。そしてセットアップするボールのスピードがどんどん速くなっていく、セッター主導の流れの加速だったと思う。
「ブロックから逃れたい一心でつい”打ち易さ”よりも”速さ”を優先してしまう」と青城の監督が言う”スピードの呪縛”に、1人影山くんだけが囚われてしまっていたのが、インハイ予選の段階だったんだと思う。


今回はたぶん違う。
高校N0.1セッターの宮侑を意識してないことはないんだろうと思うけど(ツーを決めた後の表情からは侑との勝負も楽しんでるとしか思えない)、双子変人速攻を決められた時も決して焦ってはいなかったし、自分が最高と思うトスを上げるだけ、という姿勢を試合を通じて貫いてきたように見える。

この時も焦ってはいなかったと思う。第3セット、30・31からの月島のサーブ。”とりあえず入っとけサーブ”のはずだったのに、ここで月島はこの試合初めての攻撃的なサーブをした。アランさんも驚いたけど、チームメイトにとっても意外だったんだろうと思う。入れるだけサーブだったなら、稲荷崎の攻撃が炸裂して烏野は守勢に立たされたはず。ところがアランさんが崩されて、烏野に返ってきたのは思いがけないチャンスボールだった。
「チャンスボール!!!」「攻めろ 攻めろ はやく 相手より はやく」
ここのコマに描かれているのは、ウィングスパイか−3人と月島。