米国の核戦略の新方針の記事を読んで

東京新聞朝刊トップは【米、通常兵器に核報復も】という見出し。【「核なき世界」から転換】トランプ政権の核戦略についての記事だった。

 

トランプ政権は、今の世界を大国間の競争の時代で、米国がかつてないほど広範で高度な核の脅威に直面しているものとして見てるみたいだ。中国・ロシアは核兵器を近代化し、北朝鮮は核・ミサイル開発を進め、イランも核開発能力を持ったまま。
だからアメリカも、潜水艦発射弾道ミサイル用の小型核や海洋発射型の核巡航ミサイルを開発する。

【爆発力を抑えた小型核は「一般市民を巻き添えにする恐れが減る」】という利点があるそうだ。その利点とやらは、核兵器を使うことへの心理的な抵抗を低くしてしまわないだろうか。オバマ大統領が、旧式の核兵器は削減するけど、新型の小型で命中精度を上げたような核兵器には多額の予算をかけて開発を続ける方針という報道を以前に読んだことがある。核兵器の近代化は、トランプ大統領が始めたことではないのかもしれないけど。


核兵器を使用するのは、新方針でももちろん米国と同盟国の死活的利益を守るための極限状況になった時だとしてるけど、それは市民、インフラ、各施設への通常兵器やサイバーによる戦略的攻撃も含まれるという。

使えない核兵器で互いを抑止するのではなく、使える核兵器による抑止ということになるんだろうか。使える核兵器を開発して、核による攻撃ではない場合でも核兵器を使用する場合があり、核の先制不使用についても否定しない。
核の脅威にさらされる同盟国との一体化を進め、抑止力強化への負担分担を求める、ともある。
「核の3本柱」は、ICBM、潜水艦発射弾道ミサイルSLBM)、戦略爆撃機戦略爆撃機の核攻撃能力を向上して、必要なら北東アジアに派遣するという。

 

河野外相は、「米国による抑止力の実効性の確保と、わが国を含む同盟国に対する拡大抑止へのコミットメントを明確にした、高く評価する」と表明したという。
同盟国に負担を求めるという点については、「NATO加盟国が対象だ。日本は核抑止の任務に携わっていないため、負担が増えることはない」と、政府関係者は強調したというけど、そんな都合のいい言い分が通るんだろうか。
核の先制使用も排除しないという点については、「核兵器の用途がより具体的になり、透明性が高まった」(外務省幹部)という見方をしてるという。


サイバー攻撃によるインフラ破壊も核兵器を使用した反撃の対象になるかもしれなくて、核兵器の先制使用もあるかもしれなくて、北東アジアへの核攻撃能力を向上した戦略爆撃機の派遣があるかもしれない。
米国が名前を挙げた中国もロシアも北朝鮮も、当たり前だけど日本の隣国だ。使える核兵器をのせたミサイルが頭の上を行き交えば、日本は文字どおり核の傘の下にいることになるのかもしれない。

本当に「抑止力強化」と歓迎すべきことなんだろうか。