ハイキュー!! 第285話 静かなる王の誕生 感想(2)

チームメイトが田中さんに駆け寄っていく傍らで、影山くんは一人で立ってる。会心のプレイをしたというような表情でもない。このラリーの1本目の田中さんへのトスは、ラストのトスより少し短い感じだったから、極上ストレートを選択することができたラストのトスの感触を影山くんなりに確かめてるようにも思える。

 

それにしても相手のマッチポイントできわきわのストレートを決めた田中さんにかけた言葉も「ナイスキー」の一言で、セット前半でサイドアウトを取り合ってる最中の1本に対してかけるような淡々とした調子。
そういうのを見ると、この試合中ずっと1本1本を同じ集中であげていたんだろうなあと思う。それ自体凄いことなのかもしれない。レベルが高いチームになればなるほど、コート内の選手一人一人がポジションにかかわらず、数手先まで読みながらプレイをするんだろうと思うけど、セッターはその中でも特に頭と神経を使うポジションなんだろう。影山がしょっちゅう寝てるわけもわかる気がする。

 

トスを上げた先の攻撃を選択するのはあくまでもスパイカー。セッターはスパイカーを選択し、スパイカーの選択肢を増やすところまで。でも、何本かに1本か、何十本に一本か、セッター自身の思いとスパイカーの思いがドンピシャにはまる1本があるのかも。

セッターの醍醐味っていうのがどんな瞬間にあるのかよくわからないけど、田中さんの極上ストレートを引き出した影山は、静かにそれを味わってるのかもしれないと思う。


スパイカーの要求を丸呑みするだけのオリコウサンから、スパイカーにノーも言える司令塔へ。その変化のきっかけになったのは、まさにそのオリコウサンの一言なんだけど、侑は知らないんだろうなあ。でも、北一時代のトラウマと烏野にきてから少しずつセッターとして学んできた積み重ねがあったからこそ、その一言をきっかけにして変わることができたんだろうと思う。侑には短期間に見えるんだろうけど、決してそんなことはない。

久しぶりの及川さん。1月のこの時期でも普通に走ってるのが、ちょっと嬉しい。才能はいつか開花するもの。自分との戦いはずっと続いていくんだろうなあ。

 

試合は24・23。
次こそ決着がつくのかな。