ハイキュー!! 第283話 信条 感想

前回は、旭さんがブロックアウトを取って烏野が18・17と1点差に詰めたところで終わった。
今回は、主将の北信介が再び登場するところから始まる。


春高宮城予選で、条善寺と戦ったとき、「俺にはド派手なプレーは無理だけど、”土台”なら作ってやれる」(13巻P108)と言った言葉通り、大地さんは烏野のがっちりした土台だった。
月島もそういうところがあるけれど、大地さんは自分に出来ることと出来ないことの区別と自分のやるべきことをはっきりと自覚している人なんだと思う。自分のテリトリーを自覚してるから精神的にも安定してるし、ド派手なプレーにも惑わされることなく、そのための土台作りができるんだろう。でもそれは、自分に枠をはめることでもあるような気はする。

北も、条善寺戦の頃の大地さんと同じだ。
自分の役目は諸刃の剣にもなりうるような攻撃性を持って突っ走る侑たちを土台として支えることだと自覚している。
今回は、そんな北と大地さんがはっきり対比して描かれている。


角名に速攻を決められて19・17になった時、相手にスタミナ不足を指摘されて素直に認める月島に、大地さんは気づいていた。そのすぐ後の烏野のシンクロ攻撃は、バテ気味の月島のジャンプの高さ不足でトスされたボールを打ち損ない1点を落とした。このミスで、稲荷崎は20点台に乗せ、烏野とは3点差になった。ギャラリーの言葉通り、普通ならゲーム終盤での痛すぎる失点なんだと思う。

この時は、全員が攻撃に入るのが基本の烏野のシンクロ攻撃だったけど、条善寺戦の頃の大地さんなら、ブロックフォローについただろうか。北は、フォロー可能なボールの気がすると思ったようだけど、烏野は全員で攻撃に参加した。19・17の場面、慎重になってフォローに入るという選択肢もあったとは思う。

この後、双子のマイナステンポのバックアタック打ち損ないを北が見事にフォローする。土台としての自分の仕事をきっちり果たした。
「仲間のフォローを捨ててまで」多分得意とまでは言えないバックアタックで、攻撃に参加する意味はあるのか?土台となって支えてやるのが本分だろう?
自分の仕事をやり遂げることで、北が、大地さんにそう語りかけてるようだ。

大地さんもそれに答える。もう一度、レシーブの後に助走からシンクロ攻撃に参加して、多分得意とは言えないんだろうバックアタックを打つことが、大地さんの答えだ。
「俺は仲間を守るために居るんじゃない」「俺達全員 点を取るために居る」
大地さんはもう土台だけではない。ここでの大地さんにも、この前のシンクロの場面の大地さんも、結局はフォローに入るという選択肢はなかったんだと思う。


条善寺戦の大地さんは土台だった。その後の公式戦としては、これで5試合目になる。どこで変わったんだろう。どの試合のどこで、ということはないのかもしれない。厳しい試合を戦う中で、烏野の試合のコンセプトが徐々に染み込んでいったのかもしれない。ただ目の前の1本を力づくで取りに行く。「殴り合いを制す」のが、烏野のコンセプト。
勝負にとらわれて、一瞬見えなくなりかけたそれを、日向がみんなに思い出させてくれた。(我が道を行く影山くんについては、思い出すも何も最初からそれしか見てないと思うけど)

いつからか、土台であることに変わりはないけれど、それを自分の枠にしてしまうことを大地さんはやめたんじゃないかと思う。今まであまり考えてみたことがなかったけど、”もう出来上がった人”としてみていた大地さんが、以前とは違うと初めて気づいたような気がする。見た目が高校生には見えないから思わなかったけど、大地さんも、まだまだ発展途上の高校生なんだと改めて思う。


月島も変わったみたいだ。スタミナ不足を素直に認め、打ちそこなった時には、自分の高さ不足も認めた。
(常に攻撃するつもりで跳ぶ事、、、助走距離を確保し続ける事、、、、日向はいつもこれを、、、これ以上をやってんのか)
白鳥沢戦の5セットマッチよりも、今回の3セットマッチの方がスタミナ不足が露呈してるかのような月島。対牛若の時よりも、速い多彩な攻撃にブロックが振り回され気味なのが、疲労の主因なのかと思ったけど、この試合、月島は常に全力で最高のジャンプをし続けていたみたいだ。
相手に20点目を先に献上した形になったミスだけど、影山も月島も、5・3くらいの点差の時の失点みたいな反応だ。踏ん反り返る影山くんに、王様の片鱗が伺えたのはちょっと嬉しい。
「で いけんのか」「当然デショ」のやりとりの後に、速攻を決めて20・18。
月島と影山は、付かず離れずドライな感じなんだけど、お互いをプレイの上では信頼してる感じがやっぱりいいなあ。


大地さんのバックアタックが決まって、20・20。年明けが楽しみです。