ハイキュー!! 29巻 見つける 感想(2)

29巻で書かれているのは稲荷崎戦の第1セット。
稲荷崎はインターハイ2位の関西の私立高校で、音駒のレシーブとか白鳥沢の大砲主義とか伊達のブロックのような守るべきスタイルがあるチームというより、チームにとって、選手にとって常に新しいことにチャレンジしながら上を目指すという、どちらかといえば烏野タイプのチームだ。
「全国3本指に最も近い」と言われるアランや「センスの塊」の角名の他にも、1年ピンチサーバーは強力だし、嫌な方へ流れそうな空気を淡々と元に戻す主将も侮れない。けど、稲荷崎が「最強の挑戦者」と呼ばれるのは宮侑がいるからなんだろうなあと思う。
29巻は、3点リードされた烏野が稲荷崎に追いついていくという内容なんだけど、印象に残ってるのは双子の変人速攻もどきや、影山の配球のくせ(とは言わないのかもしれないけど)を観察して日向の速攻を止めた稲荷崎のブロックだ。


双子の速攻。255話のラストで、月島がその速攻を止めた。
そこで烏養さんが、「変人速攻の最大の敵はブロッカーの慣れ」「そんでもし”変人速攻キラー”がいるとするなら」
「散々日向を止めた音駒の犬岡か伊達工の青根か」
「日常的に変人速攻を見慣れていて そんでおそらく変人速攻が大嫌いな」「月島でしょ」と先生に解説した。ここでは烏養さんは、双子の速攻が変人速攻だという前提で話をしているようだ。

双子が初めてこの速攻をやった後、烏養さんは「今の時点では単なるマイナス・テンポのスパイクとしか言えない」「日向・影山の場合は いつどこからでも繰り出せるってのが強みだ」「アレと同じだというのは早過ぎるよ」(第254話)と言ってる。この時はまだ、双子の速攻を変人速攻だとは認めてないみたいだ。ただ、このすぐ後で、難しい位置から速攻をあげた侑のプレイを見て、「変人速攻じゃないと言ったそばから否定された、、、」って感じの表情になってるから、この時点で烏養さんとしては双子の速攻を変人速攻として認識したのかもしれない。


変人速攻は、最初の3対3で、月島のブロックを振り切るために、影山が考えた苦肉の策。この速攻が武器として使えなければ自分にコートの中での存在価値がないとまで日向が思っていたほどの、他が真似できないコンビネーションだったけど、強いチームにはいつまでも通用するわけじゃなく、影山が止まるトスまで進化させた。

変人速攻は、日向と影山の代名詞のようなものだ。(日向は、身長は低いし、技術はないし知識もないけど、身体能力だけは高い。でも、知識がないからこそ目を瞑って打つなんていう常識はずれのプレイができたんだと思う。)
変人速攻において日向は、「ただブロックの居ないとこにMAXの速さと高さで跳ぶ。そんで全力スイング」(by影山 第8話)
するだけだ。ボールは見なくていい。ドンピシャのタイミングで日向に合わせるのは、影山だ。それがどれほど難しい事か。
影山のトスの方は、素人でも、それは神業レベルなんだろうとすぐに理解できたけど、日向の方は中々すんなりすごい事をしてるんだとは思えなかった。
ボールがここに来ると100%信じる事が、中々出来ない事らしいというのがなんとなくわかったのは、青城との練習試合だ。

なぜ100%信じなくてはならないのか。まあ、目を瞑るからと言っちゃえばそれまでなんだけど、目を開けてボールを見ていたとしても、何も考えずただ機械的にフルスイングしなければ、改良前の変人速攻の時の影山のトスは打てないんだろうと思う。それは最短距離で最速のトスだからだ。