国難の際の被害想定の報道を見て

北朝鮮と米国の間で戦争が起きた場合、日本にはどれほどの被害が出るのか、日本政府の被害想定について記者会見で質問がでた。菅官房長官は、仮定のことには答えられません、と答えていた。

想定なんだから仮定のことに決まってるのに、仮定のことには答えられないというわかるようでわからない理由で答えないのはいつものことだけど、被害想定自体は当然算定して答えを持ってはいるんだろうと思ってた。


今日の羽鳥さんの番組で、この問題が取り上げられ、二人のジャーナリストが政府の被害想定について見解を述べていた。
共同通信編集委員の石井氏は、日本は防衛相も自衛隊も被害想定はしてないと思う。と長年の取材経験から述べていた。
もう一人田岡俊次氏も、できてないと思う、という。防衛省高官に質問したら、北朝鮮がどんな時にどんな核兵器をどのように使ってくるかわからないから出せないという答えだったという。日本政府は出してないけど、アメリカからは言ってきてるはずとも加えた。

二人の言葉を聞いた時、えーっ!!、と思わず声が出てしまった。想定してない。まさか想定してないはずがないだろう。米朝戦争が起きれば、日本が巻き込まれないと考える方が難しいし、それこそ国民の命がかかった国難だ。「武装難民」が多数上陸を試みるだろうなんて想定すらしてるみたいだし、自国民にどれほどの被害が出るのかなんて、真っ先に出てる数字だろう。
それが想定してない。想定してないというのは、この世界の標準なんだろうか。

二人とも、「思う」と言っていたから、想定してるかどうか、否定も肯定も断定はできない。ただ長年取材してる人たちの中の少なくても二人は、政府は被害想定をしてないといい、官房長官も質問にはこたえてない。本当に想定してないのかもしれない。


もしそうなら、被害想定もなしに、あらゆる選択肢がテーブルの上にあるというアメリカを100%支持するというのはどういうことなんだろう。アメリカからの数字があるからそれを前提に熟慮に熟慮を重ねた結果、アメリカの対北方針を完全に支持する、ということなんだろうか。
今、米朝戦争が起きても、アメリカの議員さんが言う通り、米本土には被害は出ない。戦場になるのはこちらであって、あちらではない。アメリカと日本では国益が異なるのに、アメリカの出す数字を前提に検討することに抵抗感はないのかなあ。
自国民の被害想定すら自国で出さずに、どんな議論を重ねて、アメリカのあらゆる選択肢を支持するという結論になったんだろう。日本は絶対戦場にならない、ミサイルなんて打ち込まれないという確信でもあるんだろうか。

軍事力行使も選択肢の一つだという米国を完全に支持しながら、自国の被害も想定してないというのは、結構衝撃的だった。