中東でも極東でも危機らしい

トランプ大統領が日本にやって来た日の朝刊に、レバノン首相が辞意、という記事が載っていた。【レバノンサード・ハリリ首相は4日、テレビ演説で「私の命を狙った企みを感じる」と突然の辞意を表明した。イスラムシーア派ヒズボラや後ろ盾となっていうイランを非難したが、具体的な暗殺計画について明らかにしていない。】という記事だった。
昨年10月の大統領選出で、ハリリ氏は【ヒズボラに近いアウン大統領支持に姿勢を転換して歩み寄り、挙国一致を目指して首相に指名された】という。

報道によると、この辞意の表明はサウジアラビアのリヤドからのテレビメッセージだったようだ。レバノンヒズボラは、サウジアラビアが首相をさらって言わせたと非難したらしい。
サウジアラビアはそれに応えるように6日(月)、ハリリ首相とサルマン国王の面会写真を公開、ヒズボラの非難は的外れだ言いたいみたいだ。

今日の東京新聞木村太郎さんのコラムによると、中東においてレバノンは、炭鉱員に危険を知らせるカナリアのような存在だと言われているらしい。キリスト教スンニ派イスラム教、シーア派イスラム教で、大統領、首相、国会議長と権力を分散することで安定を図ってきた多宗教国家のレバノンでは、最近はイランに支援されたシーア派ヒズボラが政治的にも軍事的にも力をつけて、バランスが崩れかかっていたという。
そんな中で、4日(土)ハリリ首相が、突然の辞任とアラブ諸国の内政に干渉して荒廃と混乱を招いてるとのイランに対する非難を、サウジアラビアからテレビメッセージ。
同じ日、サウジアラビアでは、反汚職委員会が組織され11人の王子が拘束された。また、イエメンから発射されたミサイルをリヤド国際空港付近で迎撃したのも4日だ。


週が明けて6日(月)には、サウジアラビアが、イエメンからのミサイル攻撃についてイランによる戦争行為と非難。イランから部品を密輸してイエメン国内でヒズボライラン革命隊の人間が組み立て、ヒズボラが操作してイエメンから発射したという理屈で、ヒズボラレバノンに対しても同じように非難したという。
ミサイルを発射したイエメンに対しては、イランからの武器の流入を防ぐためという理由で、陸海空の国境を封鎖。人道支援は妨げないはずが、報道によると7日(火)、8日(水)には国連人道支援組織、国際赤十字などから、封鎖によるイエメン国内状況のさらなる悪化を懸念する警告や非難の声が一斉に上がってるみたいだ。飢餓による数百万単位の犠牲の恐れが懸念されるという。


サウジアラビアの改革を急ぐために権力の集中を図っていると言われる皇太子。国内の改革は、多分それだけでも大仕事なんだろうと思うけど、同時にイラン の脅威を声高に非難するのは、それだけイランの脅威が迫っているということなんだろうか。
レバノン首相辞任の記事の隣に、イラク・クルド自治議長退任の記事もあった。退任にはイランの支援を受けるイスラムシーア派民兵組織が影でうごいたのだという。【「今や政府は、イランとの調整なしに重大な決定ができない。」】らしい。
レバノンにしてもイラクにしても同じシーア派政権や組織へのイランの影響力は、スンニ派の国としては見過ごせないレベルになってるんだろうか。

年が明けて春になれば3年になるイエメンの紛争。和平に関する報道はここのところみかけないけど、どうなってるんだろう。
フーシ派がハディ大統領を追い出した時、空爆しか選択肢はなかったんだろうか。

 

夕方のニュースで米中首脳会談の成果として28兆円の商談成立と言っていた。日本でも韓国でも武器売り込みの印象を残したトランプ大統領(他にも成果があったんだろうけど、自分としては武器売り込みの印象が強かった)。
体の芯からビジネスマンなんだとしたら、短い期間で結果を出すのが考え方の基本になってたりしないんだろうか。
対イランで強硬的な考えらしいトランプ大統領が、若い皇太子が権力を集中しつつあるサウジアラビアの安心材料になってたりはしないだろうか。
報道される表面的なことしかわからないから、結局わからないことだらけなんだけど。