ロヒンギャ問題で非難されるスーチーさんの記事を読んで

9月10日(日)、今日の東京新聞朝刊にロヒンギャ問題の記事が載っていた。
先月後半に、ミャンマーラカイン州で起きたロヒンギャの武装集団と治安当局の武力衝突をきっかけにした、国軍などによる迫害(報道によると、ロヒンギャの村々への焼き討ち、銃撃、ナイフによる襲撃など、相当激しい暴力攻撃みたいだけど、この記事では”疑惑”という言葉が使われていた)を恐れ、隣国バングラデシュに逃れたロヒンギャ難民は国連の集計によると27万人に達するという。

9月の初めには、6万人ほどの数字が報道されていたから、急増なんてものじゃないほどのペースで増えてるみたいだ。

今日の記事では、ロヒンギャ問題に対して消極的なアウン=サン=スーチー国家顧問への国際的な批判の高まりが書かれていた。
ネット上の署名サイトでは、ロヒンギャ問題への対策を講じようとしないスー・チー氏のノーベル平和賞の取り消しを求める呼びかけへの賛同が398,000人に達したという。


9月5日(火)には、トルコのエルドアン大統領がスー・チー氏との電話会談で、ロヒンギャに対する人権侵害へのイスラム諸国の懸念を伝えたという。
この会談で、スー・チー氏は
『「人権を奪われることの意味をわれわれは知り尽くしている。ミャンマーのすべての人の権利が守られるよう保障する」と述べて、問題の解決に取り組む姿勢を示したと、6日、政府が発表しました。』(NHK NEWS WEB 9月7日)
会談では、フェイクニュースが意図的に流されてる、とも発言したという。


ミャンマーでは内務省など重要3閣僚の指名権が国軍総司令官にあり、国会でも国軍が一定の議席を占めるという。スー・チー氏が国軍の意向を無視できないのも当然らしい。スー・チー氏の沈黙は、国軍だけではなく、国民の9割を占める仏教徒への配慮でもあるらしい。
実際の暴力行為に出るような仏教徒は、中でもごく一部なんだと思うけど。それでも、多数派の仏教徒の間には、少数派ムスリムに対する、身内じゃない的な?意識が強く残るらしい。

2011年には、軍事政権が終わり、民主化は進み経済も成長。生活や価値観も変化し、それに対する不安や恐怖の感情も、ロヒンギャ迫害の背景になっているという。
2013年に設立された反イスラム強硬派の「民族・宗教保護協会」(通称マバタ、全国に200以上の支部を持ち約50万人の仏教僧の半数以上が支持者だという)の活動の影響もかなり大きいみたいだ。


何れにしても、ロヒンギャの問題は、ミャンマーの歴史(特にイギリスの植民地時代)、人口構成の複雑さ(135の土着民族が公認され、多数派のビルマ族少数民族の対立が長く続いているという)、宗教対立など、背景が複雑で、そう簡単に解決の道筋をつけることができるような問題ではないらしい。


そうだとすると、スー・チーさんを責めればいいってもんじゃないとは思う。でも、長い幽閉生活にも耐えた強い女性だからこそ、何かメッセージを発して欲しいとやっぱり思ってしまう。