「ちはやふる」35巻 感想

久々に読んで、真島太一くんの変貌ぶりにちょっとびっくり。そういえば、周防名人についてカルタをやっていたんだと思い出した。

瑞沢で部長をやっていた頃の太一は、カルタにも仲間にも勝負にも、真正面から向き合っていたように思っていたけど、今回は人が変わったようだ。カルタという競技に向き合うというより、何か科学の実験でもしてるような、対戦相手は実験の観察対象でしかないと見ているような態度だ。そんな太一を対戦相手は「悪役」で相手に「カルタをやりたくなくなる」気にさせるといった。
太一自身は、そんなカルタを、楽しんでるみたいだ。見ようによっては気負いが取れて、とても良い状態でカルタを取っていると言えないこともないのかもしれないけど、どこまでこのままいくんだろう。

今回は、作中の原田先生の言葉の通り、千早、太一の試合を中心に出場者一人一人のカルタにかける思い、育ててもらった立場から育てる立場へと繋がれる思いなどが丁寧に描かれている。
「君たちは自分たちが主役の物語を生きてると思ってるだろう?ちがうよ」「輝いている君たちでさえも誰かの物語の一部分だ」という原田先生のモノローグが印象的だった。
ちはやふる」は、終始一貫、先生のこの言葉通り描かれていると思う。たとえちょい役(漫画の登場人物にちょい役とは言わないのかもしれないけど)でも、その人の背景が想像できるような描かれ方をしてる。

 

太一はずいぶん変わったけど、今回出番がほとんどなかった新くんはどうだろう。
「悪役」としての太一と新の対決が(あるかどうかまだわからないけど)楽しみかも。