THE LAST-NARUTO THE MOVIE-  感想(2)

録画しといた「THE LAST-NARUTO THE MOVIE-」を昨日初めて見た。前半のヒナタはブリブリぶりがすごすぎて、ラストのお姫様抱っこは見てられなくて、すっかり恋愛モードになってるナルトの姿は情けなくて、これまで積み重ねてきたナルトの物語がぶった切りにされたような気がした。そして違和感。

ナルトの物語は、落ちこぼれだった孤独な少年が、忍として成長し火影になるという夢を叶える物語だ。誰ともつながりのなかったナルトが、友を得、師を得、仲間を得ていく物語でもある。
映画では、本編ではナルトとは大きな関わりがあるようには見えなかったヒナタ一人に光が当てられていることもあり、違和感だけが残ったんだと思う。

ナルトを全巻読み切ったのが最近の自分でさえ、相当な違和感を感じる映画だったから、ナルトの物語を最初から読んできたファンの人たちにとっては突っ込みどころが満載の映画だったのではと思い、映画レビューを検索してみると、どうやら評価が真っ二つに分かれてるみたいだ。
残念だったという評価をしてる人たちの多くが、ヒナタに去られたナルトの、任務そっちのけの情けない姿(これは同感)や、ずっと片思いしていたはずのサクラに対する思いの決着があまりにあっさりと付けられてしまったことに失望を隠せないようだ。妹を救出する任務の最中に、ヒナタがマフラーを編み続けるシーンにも非難が集中していた。(無論それだけではない。原作を読み込んでる人ほどツッコミどころでいっぱいみたいだ)
対して評価する方は、映像の美しさ、音楽の良さに加え、恋愛映画として楽しめた、ナルトの成長ぶりに感動、孤独だったナルトが幸せな家庭をもったこと、一途なヒナタの恋愛が成就したことに対する祝福の感想が目立ったような気がする。(と言ってもほんの一部を読んだに過ぎないけど。)


映画の中で、ヒナタにフラれたと思い込んでる失意のナルトと、ナルトの治療にチャクラを使い切り消耗して横たわっているサクラが、ふたりきりで会話をするシーンがある。ナルトからヒナタとの間にあったことを聞かされたサクラはナルトに、昔(ナルトがサクラを)好きだと言っていたのはサスケに対抗するためだ、と言った。
ナルトはそれに対しては何も答えなかったと思う。

サクラはサスケへの対抗心だと言ったけど、ナルトのサクラに対する想いは確かに恋だったと思う。この映画でナルトがヒナタに向ける想いとは違うかもしれないけど、サスケへの対抗心からだけの想いではなかったはず。ただ、その想いは、生死を賭ける任務をともにする中で、そしてともにサスケを追いかける中で、徐々に変化していったのだと思う。同志、仲間というだけではない、ナルトはサスケを兄弟だと言ったけど、サクラも肉親に近いような存在になっていったように自分は感じてる。それはサクラにとっても同じで、恋愛の対象にはならないほど近い存在にお互いがなっていったような気がする。

サクラがここで、サスケへの対抗心から、と言ったのは本当にそう思っていたのかどうかちょっとわからないんだけど。
もう少し別の言いようがあったような気もする。
ただこのシーンは、この二人は、恋愛関係には決してならないけれど、お互いをとても大切に思いやる関係であることが、静かな会話(原作ではなかなかこんなにしっとりした会話を二人がすることはなかったように思う)を通して伝わってきて、サクラの「女の子は一旦好きになったら簡単に気持ちを変えられない」という言葉とともにとても印象に残ってる。いいシーンだったと思う。