THE LAST-NARUTO THE MOVIE-  感想(1)

ケーブルテレビでやっていた「THE LAST-NARUTO THE MOVIE-」をみた。2014年公開だというから約3年前のアニメ映画。
週刊少年ジャンプで長期連載していた「NARUTOーナルトー」の、原作では描かれなかった、主人公の恋物語だ。

感想は、一言で言えば、違和感。漫画を通して自分の中に作られた「ナルト」の世界とはかなり違うなあ、と違和感だけが残ったような気がする。

一人ぼっちで、寂しくて、自分と言う存在を見てほしくて反抗的なことばかりしてきた子供が、初めて人(イルカ先生)に認められて、うれしくてあったくて、ぼろぼろ涙を流して鼻水垂らしたエピソードから始まったナルトの物語。
イルカ先生から始まって、第7班、我愛羅自来也、キラービー、、。たくさんの繋がりができた。敵だったけどザブザと白や、長門、イタチにも大切なことを教わった。ミナトにもクシナにも会うことができた。大切な人たちの死も経験して、悩んだこともあったけれど、終始一貫自分の忍道は曲げずに頑張ってきた。ナルトの物語は、あの、涙をぼろぼろ流してた小さな男の子が、みんなに認められる存在になるまでに成長する物語だ。
ナルトの中には、今まで出会って絆を築いてきた沢山の人達が詰まってる。
はずなのに、この映画に出てくるナルトは、これまで紡いできたこと全てを断ち切ったような、恋愛脳の薄っぺらい男になってしまってたような気がする。

雷影が出してきた、チャクラを集めてぶっとばす、月をも破壊できるという3連発の大砲(?)みたいな武器とか、イルカ先生の地球最後の日に一緒にいたい人の名前を書けという授業とか、何だそれえっていうような突っ込みどころがポロポロある。でもまあその辺は本筋に関係ないところだと目を瞑るとして、この映画の肝であるナルトとヒナタの恋物語が、薄いというか薄ら寒い内容なのは瞑れない。

 

映画では、幼い頃、いじめっ子たちにいじめられていたところをナルトに助けられ、その時からナルトを思い続けるヒナタという設定になっている。
ヒナタに関しては、所々(仲間でラーメン食べてるシーンで、ナルトのもてぶりを見て急に帰ってしまうとか、ナルトたちに事情も告げずにトネリの元へ去ってしまうとか)イラっとくるシーンはあったけれど、原作でもアカデミーの頃からナルトを思い続ける女の子として描かれてきて、映画でもそれはそのままで、恋物語の主人公としては十分すぎるほどのヒロインぶりだったと思う。そのヒロインぶりが好きか嫌いかはさておいて。
問題はナルトだ。映画の前半では、ヒナタの気持ちにまるで気づいていない鈍感な男として描かれていたナルト。そのナルトが、ヒナタを恋の相手として意識して恋に落ちていく過程がしっかり描かれていれば、多少それまでのナルトのイメージから外れたところがあろうと、恋愛ものとして割り切ってみることができたと思う。
1本の映画という短い時間の中に、サスケとサクラの長い時間をかけて深化していった恋のように描くことまでは求めないけど、ナルトがヒナタを好きになったわけが、見終わってもわからない。(むしろ原作の中の、ペイン戦でのヒナタの無謀な突っ込みや、大戦の最中のヒナタのナルトへのビンタのシーンの方が、状況が重い分、ナルトにとってのヒナタという存在の価値を、きちんと見てる側に意識させるものだったような気がする。)
映画では、幻術の中で、ヒナタがいかにナルトのことを思い続けてきたかを体験したことで、ヒナタへの恋心が芽生えてきたみたいなんだけど、説得力がなさすぎではないかと思う。廃墟の中を二人で探索するシーンは、恋を深めていく描写にしては軽すぎるし、ヒナタの妹の行方を追う任務の最中とは思えない。