前川前事務次官の会見を見て

前川前文部科学省事務次官が日本記者クラブで会見した。

加計学園問題でキーパーソンは誰だと思うかという質問に、ここのところ注目を浴びている萩生田官房副長官ではなく、和泉総理補佐官の名前を挙げてたのがちょっと意外だった。最初に前川前次官に対して、総理は言えないから代わりにいうという形で、獣医学部の新設の件をプッシュしたのが和泉補佐官だったし、「萩生田官房副長官のご発言概要」文書の中でも、副長官が、和泉総理補佐官から聞いた話として伝えてることからも、前川さんは総理補佐官をキーパーソンだと考えてるみたいだ。

文科省としては、獣医師国家試験を管轄する農水省や、4条件のうちのライフサイエンスなどの新しい需要に関係する厚労省を引きこんで、もっとじっくり検討したい(少なくても30年4月は無理)という思いがあり、その調整役として文教族の頼りになる先生として萩生田官房副長官に依頼し、期待をかけていたという。


52年間獣医学部が新設されなかったのは獣医師会の要請があったからという見方に関連した質問が出ると、前川さんは、問題を規制改革と抵抗勢力の対立という単純な善悪でみる見方は誤りだとし、問題は岩盤規制に穴を開けることではなく、そのあけ方だと繰り返し言っていた。

国家戦略諮問会議、またそのワーキンググループでの検討についても疑問ありという感じみたいだ。国際競争力の強化と国際経済拠点の形成という特区の目的に、今回の獣医学部新設は資するものだったのか、専門家や関係者を呼んでの丁寧な議論だったのか。結構疑問点をあげていた。獣医学部新設の検討プロセスに、一点の曇りもないと言った諮問会議の民間議員の記者会見に対しても、曇りが見えてなかったのではないか、見たくなかったのではないか、見せられてなかったのではないか、と結構きつく反論していた。
人材需要の挙証責任は規制官庁である文科省にありそれができなかったから文科省の負け、という国家戦略特区諮問会議の論のたてかたは単純すぎるし、挙証責任論議は不毛だとも言ってた。


お金を受け取って便宜を図るというちょっとアナログな感じの利益誘導なら、良い悪いもはっきり見えるし、表にさえ出れば、多分わかりやすい構図なんだろうと思う。

前川さんは立場上答えられないと言っていたけど、加計学園問題は、忖度だけでここまでできるのか、それとも何らかの形で指示があったのか。

総理は丁寧な説明をすると言ったのだから、ほんとそうしてほしい。