カール・ビンソンの行方についての報道を読んで

先週の月曜日、突然北朝鮮とアメリカが一触即発まであと1歩かのような勢いでニュースが流れて、それから1週間米朝チキンレースについて連日報道されてる。

そもそもの始まりは、米原子力空母カール・ビンソンを主軸とする攻撃群が、予定されていたオーストラリアでの演習を変更し、シンガポールを出て朝鮮半島近海に行先変更したことから、米朝間の緊張が高まるのではということだったと思う。4月は北朝鮮にとって重要な記念日が続き、北朝鮮による核やミサイル実験の可能性も指摘され、報道の過熱に拍車がかかった印象がある。

18日のニューヨークタイムズの記事によると、実はそのカール・ビンソンが朝鮮半島近海に向かっていなかったという。
記事によると、15日(土)現在インドネシアスマトラ島とジャワ島の間のスンダ海峡を航行するカール・ビンソンの写真が月曜日に公開されたことでわかったという。
今現在は、朝鮮半島に向けて航行していて来週にもその海域に着くだろうということだけど。
ことの起こりは、4月9日(日)に、太平洋軍ハリス司令官がカール・ビンソンとその攻撃群に、シンガポールを出港し西太平洋へ向けて航行するよう命令したというプレスリリースが出された時に始まったという。詳細については明かさないというのが通例で、この時も正確な任務内容や行き先については明かされなかったという。
その日に、マクマスター補佐官がFOXニュースで、この派遣について、北の脅威を除くためにトランプ大統領に選択肢を与えるもので賢明なステップだと語り、11日(火)にはトランプ大統領がツイッターで「北朝鮮はトラブルを招いている。中国が協力すると決めれば素晴らしい。もしそうでないなら、我々は中国なしで解決する。USA」とつぶやき、そのツイッターの後、カール・ビンソンを急派することを決めたわけを記者から問われたスパイサー報道官が、抑止だと答えた。その1時間後に、マティス国防長官が、空母群がその海域に急いでいるとの認識を補強した。オーストラリア海軍との合同演習がキャンセルされたとも言われたけど、実際キャンセルになったのはフリーマントルへの寄港だけだと、後で訂正されたという。

一連の北朝鮮問題の報道の最初の頃に、オーストラリアとの軍事演習をキャンセルして朝鮮半島の海域に向かったという緊急性(?)に、アメリカの本気が出てるというような言われ方がされてたような記憶がある。ニューヨークタイムズの記事がほんとなら、北朝鮮がミサイルを打ち上げてるこの時期に上陸休暇中の水兵たちの映像が出るのは好ましくないという理由で寄港を取りやめたのが、演習そのものの取りやめと誤って伝わったみたいだ。

テレビ朝日系配信のヤフーニュース(4月19日)によると、「この原子力空母の動きは北朝鮮を牽制しつつ、中国の外交努力の行方も見極めるトランプ大統領流の”じらし戦術”だという指摘も出ています。」とあった。どこから出てるんだろう。

ホワイトハウスは、カール・ビンソンの行方について知らなかったってことになるんだろうか。だとしたらなんで、ペンタゴンは途中で訂正を入れなかったんだろう。全部知っていて、”じらし戦術”?のために、報道がミスリードするままにしたのか。
結局は朝鮮半島の方に向かっているのだから、そこはスルー?

先週は、週が明けたら急に危機になっていてびっくりしたけど、今週は週が明けたら、カール・ビンソンがいなかったとわかってびっくりした。こんなチグハグでいいんだろうか。現実とは思えない。
もしもミサイルが飛んできたら、戦争になったら、人が死ぬんだけど。