NARUTOーナルトー 61巻・62巻 感想(2)

復讐を果たして心身ともに衰弱した状態にあるサスケが、うちは一族皆殺しの真相を聞かされる。43巻でそのくだりを読んだ時、よくサスケは狂わずにいられたな、と思った。けどその後、案の定なのかどうかわからないけど、徐々に心のバランスを崩し、サスケの中の闇の部分が暴走していってしまった。

幼い日に一族を殺されて、復讐のためだけに生きてきたサスケ。第7班でできた繋がりも、復讐のために自ら断ち切った。イタチを殺す力を得るためなら、大蛇丸に自分の身が乗っ取られても構わないとまで言い切った(まあ結局弱った大蛇丸を逆にのっとってしまったけど)。幼かったあの日からずっと緊張状態の中で生きてきたんだと思う。それがやっと終わったと思ったら、世界がひっくり返るかのような真相を聞かされて、どうやらそれは真実らしいとくれば、綱渡りのバランスを崩して落っこちゃったようなものかもしれない。

サスケは何回か、イタチを犠牲にして何も知らずに笑っている木ノ葉の連中が憎い、というようなことを言ってるけど、サスケ自身もかつてはそっち側にいて、一度はそこで生きいこうとさえ思ったことがある。木ノ葉潰しはかつての何も知らない自分殺しでもあるのだと思う、サスケはそんなこと微塵も思ってないだろうけど。

五影会談に侵入したあたりから、加速度をつけて堕ちていくような感じのサスケはどんどん理解の範疇を超えて行ってしまった。言動は乱暴だし目はいっちゃてるし(カリンを刺す時の目は極めつきかもしれない)とんでもない存在になりつつあるのに、それでも痛々しくも感じられて、なんとも複雑な心境だった。
ナルトは俺に全てぶつけろと言ったけど、一体このままいったらサスケはどうなってしまうんだろう、と個人的には不安感がピークに達したところで、穢土転生のイタチに遭遇。

61巻では、二人タッグを組んで、穢土転生の術者であるカブトと戦う。
イタチに遭遇した時のサスケの物言いは、相変わらず強気で自分の目線からしか見てない。それでも迷子がやっと見つけたお兄ちゃんに今度こそ置いてかれまいと必死に食らいついていくようにも見えてしまう。(ファンのひいき目線だとはわかってるけど)。

穢土転生という術自体は、死を弄んでいるような気がして(ということは生も弄んでることになるのだと思う)気にくわない。けど、この時のイタチに限っては、ここでサスケと会う機会が持てたことを、カブトに感謝したいとさえ思ってしまう。
サスケに会って「オレは本来死人だ・・・これ以上は語るまい」と言ったイタチはさすがに思慮の人だけど、サスケは駄々っ子並みに聞かない。