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NARUTOーナルトー 61巻・62巻 感想(1)

ナルト

扉裏の作者の言葉にもある通り、61巻・62巻で、イタチとサスケのうちは兄弟の物語が完結する。

61巻は、12話中2話にマダラ対五影の戦いが挟まれるほかは、イタチ・サスケ対カブトの戦いが描かれている。62巻は、作者の言う通り、サスケとイタチの話の決着する巻。

この2巻は、サスケのその後の生き方を変えたとも言える(多分)イタチとのエピソードが描かれる巻でもあるし、戦争の展開にも影響を及ぼす人物たちの登場につながるエピソードが描かれた巻でもあるし、物語の終盤の幕開けのような巻でもある。そして長かった、うちは兄弟の物語が決着する巻でもある。

でもそんな諸々のことより何より、この2巻に描かれたエピソードはまるでイタチとサスケへのご褒美のようだ、と思った。

木の葉隠れの里とサスケを守るため、ぎりぎりの選択として、自らの一族をその手にかけざるをえなかったイタチ。せめて愛する弟には、自らの真実の姿を知って欲しいと思うのが自然な情ではないかと思うけど、イタチにはそれすら叶わぬ願いだった。忍びの宿命でもあるのだろうけど、本当文字通り滅私奉公だ。

命をかけても惜しくはないほど愛を注げる対象が、その短い人生の中に存在したのだと思えば、イタチはその限りにおいては幸せだったんだろうと思う。たとえ自分の思いがその相手に届かぬものだとわかっていたとしてもだ。イタチは最後笑って死んでいったけど、あれは心からの笑顔だったと思う。
とは思いつつも、矛盾するかもしれないけど、イタチの人生は哀しすぎるとも思う。忍びとして天与の才に恵まれて、思慮深く、洞察力に富み、愛情も深いイタチ。うちはのクーデター計画なんてものがなく、そのまま木の葉の忍として生きていければ、それこそうちは一族初の火影にだってなれたんじゃないかと思う。なのに、希望に満ちていたはずの将来に代えて、同族殺しを命ぜられてしまった。無理な願いとわかっているけど、イタチの人生、やり直せるものならやり直させてあげてたいと本当思う。

一方弟のサスケ。わずか7歳かそこらの時に、自分以外、父と母、一族もろとも殺され一人残されるという境遇で育った。朝、行ってきますと家を出て、いつもと同じ1日のはずが、帰ってみたら、道には死体が転がってるし、家では父母が兄の手で殺されていた。
そこからサスケの孤独が始まる。サスケは、兄に言われた通りに(という言い方はなんだかおかしな気もするけれど、サスケに対して復讐というレールをしいたのはイタチで、そのイタチの言った通りにサスケが動いたのは確か)、兄への復讐を果たすため、ひたすら修行に励み強くなろうと努力をした。もともと賢い子のようだし、最終的にイタチを倒すまでに(イタチ自身病で弱っていたにせよ)成長した。けど、サスケの心は一部、7歳のあの日に時を止めてしまったんじゃないかと思う。
サスケの言動を見ていて、時々、とても子どもっぽく感じることがある。実際第1部は文字どおり子どもだし、第2部でも子どもといえば子どもなんだけど。