読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

国連の決議に棄権しましたっていう記事を読んで 日本の場合

先週の月曜日、国連安保理で、南スーダンの武器禁輸を求める制裁案に日本は慎重な態度をとってる、という新聞記事を読んでびっくりした。

日本は、南スーダンの平和維持活動に参加してるはずなのに。なんで?

記事によると、
「米国が国連安全保障理事会に自ら配布した武器禁輸などの対南スーダン制裁決議を巡り、非常任理事国の日本に賛同を強く求めていることがわかった。日本は陸上自衛隊が現地の国連平和維持活動に参加しており、治安悪化への懸念を理由に慎重な態度を取り続けている。」(東京新聞)のだという。

記事によると、南スーダン政府は、当然武器禁輸に反対してるから、採択されることで、国連南スーダン政府の関係が悪化し、現地の情勢が流動化するのを避けたいらしい。そういえば、PKO部隊の増派の決議の時も南スーダン政府は反対していて、国連には敵意を持ってるというような報道を前に読んだ気がする。

賛成は、米・英・仏・ニュージーランド・スペイン・ウルグアイウクライナ
賛成示唆はセネガル
否定的だけど拒否権は行使しないのがロシア・中国
否定的なのはエジプト・ベネズエラ
賛成せずは、日本・マレーシア・アンゴラ

21日(水)の朝刊には、国連の事務総長が安保理会合に出席し、武器禁輸に賛同と結束を呼びかけたという記事が載ってた。
武器禁輸には南スーダン政府のほか東アフリカ諸国の政府開発機構も反対。
武器禁輸や制裁は、平和と安定への解決策にならない」との共同声明を出してるという。
日本は、制裁決議に対して南スーダン政府や周辺国が反発し、事態が悪化することを懸念してるという。
そんな日本の態度に、『米国のパワー国連大使は「国際平和維持活動の部隊を守るために武器禁輸を支持しないという論理は疑問だ」と批判した。』(東京新聞
安保理内では陸上自衛隊舞台に適用された駆けつけ警護との関係を指摘する声も出ている。ある常任理事国の外交筋は「新たな任務を付与したばかりの部隊に死人やけが人が出た場合、政権が窮地に立たされることを日本は心配しているようだ」と指摘する。』(東京新聞


結局、23日(金)国連安全保障理事会で、南スーダンへの武器禁輸を含む制裁案を採決。賛成7、棄権8で否決された。拒否権は使われなかった。日本は棄権した。

パワー国連大使も言うように、武器禁輸が万能薬ではないんだろうけど。
国連は、南スーダンがジェノサイドの崖っぷちにいると警告してきたし武器禁輸を繰り返し求めてきた。
武器禁輸の否定派は、11月の終わりの南スーダンの合意(地域の軍の早急な配備)と12月14日のキール大統領の議会演説(国の調停プログラム)をアメリカは無視してる、という。
南スーダン政府が前向きに取り組もうとしている時に制裁を科すのは逆効果だ」(日本の国連大使
「制裁は圧力となり、和平を危うくする」(中国・ロシア)
「長期間の戦闘で、すでに市民は武器を手にしている。武器の禁輸は政府の力を弱め、武装勢力の力を強めることになる」(南スーダン政府)

武器禁輸がどれほどの効果を持つのかわからないけど、南スーダン政府自ら「政府の力を弱める」というんだから、一定の効果があることは確かなんだろう。報道によれば、市民への残虐行為は反政府勢力だけが行ってるわけじゃない。
今回の否決に対して、国際社会は、市民の側にいるということを示す代わりに、戦闘側に対して最終的に市民に対して使われるだろう武器をさらに購入することに青信号を出したのだという失望の声が、人権団体などから出てるみたいだ。

数万の人々が殺され、300万以上が避難民となってるという南スーダン
この状況をなんとしでも止めるのだというメッセージを、国際社会はやっぱり出し損ねちゃったんじゃないんだろうか。
日本が、本気で、南スーダン政府のやる気に期待をして棄権したのかどうかわからないけど、国連の場で、「新たな任務を付与したばかりの部隊に死人やけが人が出た場合、政権が窮地に立たされることを日本は心配しているようだ」「国際平和維持活動の部隊を守るために武器禁輸を支持しないという論理は疑問だ」と受け取られてるとしたら、あまりに情けないし、それこそ非国益にならないのかな。