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ハイキュー!! 第226話 まぎれる 感想

ー超理想的なストーリー

今回はテンポが良かった。説明文が多いし、内容もブロッカーの心理や日向の真価についてと濃いし、下手すると説明過多の単調な展開になりそうなところを、烏養さんと月島の2人が交互に解説することで、のっぺりした説明ではなく、テンポのいい解説になったと思う。
とりわけ完全ニュートラルな視点で、理想的なパターンについて解説する月島のものすごく嬉しそうなひねた笑顔がすごくいい。月島のこういうとこは大好きです。
ウシワカのような力づくの破壊っていう、単純で爽快な白鳥沢的理想的なパターンは、月島には面白くはないんだろうな。
心理戦を駆使して、微妙なずれを積み重ねていって最後に敵をズタズタにするっていうのが、月島にとって、ぴったりはまる理想のストーリー。みたい。
(月島は、影山を除けば、多分烏野で一番、バレーボールという競技に関して、知識も戦術眼も持ってるように思う。影山の場合は、その知識、戦術眼、試合のながれの中で最適と思えるプレーがあれば、それを実際にやってしまえるんだろうけど、月島は天才ではないからそれはできない。そうだとすると、頭では多分同じところにいる分、及川さんじゃないけど、天才むかつく、って余計に思うだろうなあ。顔合わせの時からの、月島の影山に対する過剰なまでの敵意の背景には、そいういう感情も含まれてたのかもしれない。と、月島の嬉しそうな顔を見て、今思った。単にひねくれの意地悪なのかもだけど。)


ーシンクロとマイナステンポ

前回のラスト、TO前の攻撃は、日向がマイナステンポで飛び出し、残りWS3人のシンクロ攻撃で、打ったのはライトの大地さん。伊達工の前衛は二口、青根、黄金川。大地さんはクロス方向に打ってブロックに止められた。
今回セット初めの攻撃も、同じシンクロ攻撃だけど、WS3人に日向がプラスになったのが前回と違う点。打ったのはライトの大地さんで、今回はストレート側を打ち抜いた。ほんのちょっと二口さんがストレート側を締めきれなかったみたいだ。そのほんのちょっと、を日向が作ったことになるのかなあ。
3枚から4枚になったことに加えて、いつも飛び出す日向が他と同じテンポに落とすことで、伊達工に取っては、判断すべきさらに余分な情報が付け加えられる。
解説されれば、ああそうですかってわかるけど、されないとわからない。

黄金川が固まったマイナステンポの攻撃も、試合が勝って終わったら、100点の1点だったな、となる攻撃なのかもしれない。物語でいうと伏線と同じような意味を持つみたいな感じの1本なのかな。
シンクロもマイナステンポの攻撃も、伊達工の監督が言うように、完全に新しいことをやってるわけじゃない。白鳥沢戦の最後にも紛れるシンクロをやっていた。
けど、対応されたら対応するという視点で見直すと、今回は伊達工のバンチリードブロックに対してということになるけど、マイナステンポもシンクロも新しく意味付けされて面白い。


ー日向の使い方

乱れたディグからの日向のスパイクのコマは、その前の黄金川の固まった顔から突然のターンで、マイナステンポの攻撃の速さを実感できるコマだった。
高速で動くボールを追いながら、相手の状況も視界にとらえて一瞬にして次にとるべき行動を判断する。そんなこと想像しながら、バレーボールの試合を見たことなかった。
相手にとって判断すべき情報量を増やす存在としての日向についての烏養さんの説明は、すごくわかりやすかった。

やっぱり烏野の最大の武器は日向の囮。月島はハエ叩きではたきたいと言った。確かに、視界にデカいやつがガーンとはいってくればターゲットとして絞れるのに、小さいのがちょこまかするのは、視界の端々にひっかかるだけだから、よけいにうるさく感じられて、はたきたいってなるのはわかる気がする。
小回りの効く小さい日向だからこその効果、だったらいいなあ。

日向と影山の前へ進もうとする対比のふたコマがかっこいい。
「追いつかれないのがおれの武器」
入部当初の頃の頂の景色をみるところから、日向の武器は一秒、一歩でも早く相手より先に頂に達すること。その点は変わってないんだけど、インハイ予選、東京合宿、春高予選、2人それぞれの合宿を経験してきて、形は同じでも内容が一段階上がってる感じがする。
「対応されたら対応する
それをサボった方が先へ進めなくなる」って影山は言うけど、先へ進めなくなるのはサボったとき、っていうのは、天才の発想だなあ。対応したくても、サボらなくても、普通の人には、できないとき、というのがあるんだけど、影山にその発想はないみたいだ。

日向の囮が機能する前提がセッター影山のトス回しだとすれば、影山を潰すのが多分烏野にとって一番の痛手になるはず。
「凄腕影山。こいつのせいで日向はいつでもどこでも攻撃可能」なら、こいつを潰して仕舞えばいい。今回の練習試合でも、相変わらず影山はコートの中を走り回ってカバーしてるみたいだし、日向の囮ということを別にしても、影山がセットアップできないというのは、攻撃が売りの烏野にとってきつい展開になると思う。どうすればセッターを機能不全にできるのかはわからないけど。
影山がファーストタッチした時に、烏野はどうするんだろう。影山も攻撃に組み込んじゃえばそれはそれでいいけれど、それだけではどうしようもないだろうし。
全国では、影山封じとか、ちょっと見たい気もする。

 

ーアニメのハイキュー!!

烏養コーチの声を演じられた声優、田中一成さんが亡くなったという。まだ49歳。
アニメから入ってハイキュー!!を読み始めた割に、原作を読んでてもアニメの声で台詞が聞こえるってことが、主人公の二人にしても特にない。でも、烏養さんに限っては、あの声で原作を読んでしまう。
なんでもない短いセリフなんだけど、なぜか、今度おごりますね、という武田先生に「マジでえ?」って返した声が特に印象に残ってる。
とても残念です。