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すみません、やっぱ気味が悪い 

26日(月曜日)衆院本会議場で行われた安倍首相の所信表明演説の最中、自民党議員が一斉にスタンディングオベーションをしたことが、ニュースになった。

所信表明演説は、災害復旧復興・アベノミクスの加速・一億総活躍・地方創生・地球儀を俯瞰する外交に始めと終わりをつけた7部構成。
スタンディングオベーションが起きたのは、その「地球儀を俯瞰する外交」の部分。

リオ五輪水泳に参加したシリアの難民選手の紹介から始まり、日米同盟、沖縄の基地返還、プーチン大統領との会談、韓国・中国について軽く触れ、核問題でオバマ大統領の広島訪問に触れ、北朝鮮の核実験について語った。最後に、東シナ海南シナ海と領土問題を取り上げた。
スタンディングオベーションは、その最後の部分で起こった。その部分が、以下。
「そして、我が国の領土、領海、領空は、断固として守り抜く。強い決意を持って守り抜くことを、お誓い申し上げます。現場では、夜を徹して、そして、今この瞬間も、海上保安庁、警察、自衛隊の諸君が、任務に当たっています。極度の緊張感に耐えながら、強い責任感と誇りを持って、任務を全うする。その彼らに対し、今この場所から、心からの敬意を表そうではありませんか。」
そして、自民党議員が次々に立ち上がり、スタンディングオベーションが起きた。

日刊ゲンダイデジタルの記事によると、日本維新の会の馬場幹事長も、『「異常だ。異様な光景だ」と驚き、共産党幹部は「20数年国会にいるが、ああいう光景は初めて見た。気持ち悪い」と漏らしている。』そうで、野党幹部によると、この総立ちは『「自然発生的に起きたようです」最初は「どうせ官邸が事前に振り付けしたのだろう」と思ったのですが、指示はなかったと聞いた。でも、自然に起きた方が薄気味悪い。』

演説の部分は見なかったけど、自民党議員が総立ち拍手をしてる映像はニュース番組で見た。小泉進次郎議員がインタビューに答えていて、何んだかびっくりして自分も立っちゃったけど・・・、というようなことを言っていた。(言葉は正確ではありません。なんとなく見てたニュースだから、はっきり覚えてない)映像で確認すると、確かに周りが拍手をするのを、驚いたように見回しながら遅れて立ち上がる姿が映っていた。

30日の衆院予算委員会で、このスタンディングオベーションについて質問を受けた首相は、
『議員が自発的にどういう対応を取っていくか、ということに尽きるわけでございます。どうしてこれがことさらですね。そんなに問題なのかということは私はよく理解ができないわけでありますが』と答えた。
報道によると、高村副総裁も野党の批判に対し、
スタンディングオベーションすると叱られるというのは、こういう議会のやり方がグローバルスタンダードにあっているのかどうか」と言った。

議場でどういうときにスタンディングオベーションが起きるのがグローバルスタンダードなのかは知らない。
けど、スタンディングオベーションが起きるのは、普通(多分普通)人が心動かされた時だ。
(やっとかないと後が怖いからやる場合もあるかもしれないけど。)

自民党の議員たちは、安倍首相の所信表明演説に、心を動かされたんだろうか。人が何に心を動かされるかなんて、それこそ人それぞれだから、彼らがこのスピーチに心を動かされたというならそれはそれで、ああそうですか、なんだけど。このスピーチに心を動かされるってのはなあ、自分としては、なんかうすら寒い。

安倍首相は、この所信表明演説の中で、ほんの少しだけ福島にも触れてる。
「福島では、中間貯蔵施設の建設、除染など住民に帰還に向けた環境整備、廃炉・汚染水対策を着実に進めながら、未来のエネルギー社会を拓く「先駆けの地」として、新しい産業の集積を一層促進してまいります」と、汚染水にも触れている。福島では、原発事故発生以来、現場で、日本の国土と国民の命を守るために、過酷な環境の中作業をする方々がいる。汚染水について触れたこの部分で、首相が、現地で作業をする方々に心からの敬意を表そうではありませんか、とは言わなかった。

もし言ってたら、で、それを見ていたら、テレビの前でも拍手したかもしれない。