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ハイキュー!! 「じゃあ決めて下さいよ」  感想

ハイキュー!!の事

ユース合宿での影山があんまり楽しそうで、宮や星海ともちゃんと(若干語弊があるような気もするけど)会話してたのも新鮮で、北一で王様になる前の素直な影山に戻ったみたいだと思ってた。

だから、ユースの監督が言った、「上手いセッターはスパイカーを錯覚させる」の逆で、上手いスパイカーに触れた影山が烏野に戻って、その力のギャップに戸惑わないかと若干心配だった。

それでも、北一時代のチームメイトとの断絶は、たぶんまだ完全には消化しきれてない傷として残ってるだろうから、影山が独裁の王様に戻ることはないと思ってたし、今回の影山を見てもやっぱりそう思う。

本誌を読んでなるべくその日のうちに感想を書くようにしてるんだけど、(今だに何かを続けてやるということが苦手だから、せめてこのくらいは続けようとしてます)、今回はなんだか消化不良な感じがする。

「じゃあ、決めて下さいよ」って、影山はどんな風に言ったんだろう。言ってすぐ影山は旭さんに背を向けて、ゲームに戻った。
たぶん吐き捨てるような調子ではなかったと思う。後ろ向きだから表情は見せてくれないけど(本当に、ここは見たいって表情は、決まって見せてくれない)、冷静な顔をして言ったんだとおもう。多分口調も静かだったんだろう。だからよけいに、切り捨てるような冷たさも感じられて、まるで知らない人を見たような怖さを覚えたんだと思う。

字面のきつさはかなりショッキングだけど、切り捨てとは真逆の意味が込められてるはずだと、この言葉の意味を理解しようとしたけど、正解はわからない。
影山が初めて見せた烏野のチームメイトへの要求がこれかあ、と思うと、ちょっと複雑な気もする。


逆サイドの田中さんにあげたコート外からのロングトスを、田中さんがネットに引っ掛けてしまった時の影山は、何か言いたそうな表情をしている。黄金川が感動した、正確なトスを決めきれなかった田中さんへの苛立ち(多少はあるかも)ではないと思う。
伊達工のブロックのプレッシャーのきつさを、この同じセットの少し前まで、心地良いと楽しんで受け止めていたのに、いくらセット後半で点差を拡げられつつあるからといって、影山が、単なる苛立ちの感情だけに支配されてるとは、どうしても思えないから。それほどヤワじゃないと思う。


烏野に入学してから、これまでの試合の中で、影山が自分以外の選手のミスや、点を決めきれなかったことに対して、苛立ちや不満を見せたことは、たぶんほとんどなかったと思う。インハイ予選青城戦では、及川さんとブロックにとらわれて自滅したけれど、あの時ですら、焦りや苛立ちはチームメイトには向けられなかった。
自分のプレーに対する厳しさは見せたことはあっても、北一の頃のように、プレーに関してチームメイトに何か要求をすることもなかった。(確認したわけではないから、覚えてる限り、なんだけど)
それを今回いきなりはじめた。たぶん最も苦手とする言葉による表現で。
描かれる影山の表情は、どれも厳しい顔つきで、大地さんに言わせるとピリピリしてるということになるけれど、ピリピリした苛立ちの他に、何か強い意志も感じる。(気がする)

意識してるかどうかわからないけど、チームも変えて、セッターとしての自分もステップアップしていくための試行錯誤を始めたのかなあ。