殺人者の顔

アガサ・クリスティミス・マープルシリーズの中に、「カリブ海の秘密」という長編がある。若い夫婦が経営するカリブ海の小さな島のホテルを舞台にした殺人事件を、ミス・マープルが解いていくお話。その冒頭(じゃなかったかもしれないけど、本棚引っ掻き回すのめんどいし、最初の方であることは間違いない)、昔の自慢話を何度も繰り返し話すから、ちょっと他の宿泊客に敬遠されてる元軍人の老人が、ミス・マープルに、殺人者の顔を見たくないかな?と言って、写真を見せるシーンがある。

殺人者の顔、っていう言葉が頭に残ってたのかもしれない。相模原の障害者福祉施設を襲撃した容疑者が、護送されていく時の顔を見て、なぜかそのシーンが頭に浮かんでしまった。これが、殺人者の顔、なんだ。
太めのボーダーの Tシャツを着て、笑ってる顔。
今日午前の映像だというから、犯行から丸一日と数時間後の殺人者の顔。

障害者団体が出した緊急声明の中に、「犯行に及んだものは、自らの行為に正面から向き合い、犯した罪の重大さを認識しなければなりません。」という一文があった。
この人にいつかそんな日が訪れるんだろうか。
自分の犯した罪の重さに、もしこの容疑者が向き合うことがあったら、そのあまりの重さに耐えきれないんじゃないかと思う。