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ハイキュー!! 日向合宿乱入事件について

週刊少年ジャンプで連載中のバレーボール少年漫画「ハイキュー!!」の主人公、日向翔陽が、ここんとこネットでえらく批判を浴びてるようなので、幾つかのサイトを覗いてみた。

ホント、浴びてた。
びっくりした。モラルがないとかルール破りは許せないとか、少年漫画の批判としてこんな言葉が出てくるとは思わなかった。どうやら、ハイキュー!!が、ファンタジーではなくリアル路線の物語だからこそ、リアルではありえない、としてモラルとかルールっていう方向からの批判が出てきたらしい。まあ確かに、いそべえや両さんにモラルを求める人はいないと思うけど。


で、その問題の日向の行動が何かというと、宮城県1年生選抜強化合宿に、メンバーとして選ばれなかったにも関わらず勝手に押しかけた、ということ。


その強化合宿は、主催がどこなのかはわからないけど、ことの発端は、10月の終わり、春高宮城予選決勝終了後、烏野に敗れた白鳥沢の鷲匠先生にかかってきた1本の電話。代表決定戦の初戦で烏野に敗れた条善寺の穴原先生からで、どうやらここで、合宿についての話し合いが行われたらしい。そのコンセプトは、宮城県全体のバレーボールのレベルアップを目的とした取り組みの一環、ということで、今回の対象は県内の有望な1年生。時期は12月の初旬。取り組みの一環というから、今後もいろんな形でイベントがあるのかもしれないけど、とりあえず今回、場所は、白鳥沢で鷲匠先生が責任者。

武田先生は、日向を推薦していたというから、各校からの推薦をもとにメンバーは選ばれたらしい。呼びかけ人の穴原先生も、日向の参加を願ったり叶ったり、と歓迎してるということは、メンバー選出の最終決定には、穴原先生の意向は通らなかったのかもしれない。で、鷲匠先生の一声で、参加が(ボール拾いだけど)許されたということは、メンバー選出に鷲匠先生は相当強く関わってたんだろう。
10月終わりに計画が始まって、11月中旬に発表されてる。約2週間で、メンバーまでトントン決まったということは、白鳥沢のコーチ(多分、若くてフットワーク軽そうだし)と穴原先生の2人が、ぱっぱと動いて、決定は鷲匠先生、ってくらいの少人数で進めたのかなあ。短期間で決定してるから、協会巻き込んだりとかいう大事の話ではなさそうだと思うけど。費用はどこが負担してるのかとか、その辺はよくわからない。


批判の主なとこは、
・許可も得ずに勝手に参加なんて、非常識すぎる
・自分のチームにも、合宿主催者側にも迷惑がかかる
・基礎も実力も(影山なしではレギュラーにもなれないはずなのに)ないのに、思い上がってる
・ずるい。他校にも他に参加した人間はいたはず、みんな我慢してるのにこんなの許したら、不公平
・リアルなら、参加が許されるわけない、御都合主義な展開すぎる
他にもあるかもしれないけど、幾つかのサイトを覗いた限りでは、こんなとこだった。


あちこちに迷惑がかかるというのは確かにその通りだろうと思う。日向の行動が、良いことか良くないことかといえば、明らかに良くない。
烏野のメンバーの反応を見ても、日向がチームに何も言ってなかったことはわかるし。まあ、事前に言えば当然止められたろうから(西谷さんは別にして)、日向がそこまで考えて言わなかったのかはわからないけど、合宿の方に参加する気なら、チームには言わないな。(無断で練習休むんだから、いいか悪いかといえばよくないに決まってる。その辺は、後で大地さんからえらく叱られるか、何かペナルティがあるのかわからないけど)

相手側にかかる迷惑は、とりあえず食事が一人分増える。日向はすごく食べるから1・5人分くらいかもしれない。その分月島が食べないから、やっぱり差し引き1人前強増えるかな。あとは寝るとこ?
ただ、場所が烏野みたいな、食事はマネージャーと先生で賄うようなとこだと、それだけでもすごく負担が増えると思うけど、もともと寮生がいるとこで、食堂その他の施設が充実してるであろう白鳥沢なら、1人くらい増えても、大したことではないんだろう。ただ、全体の費用がどこから出てるのか不明だから、その辺どっかに迷惑をかけることになってるかも。
東京遠征の時、親御さんの許可云々の話があったから、何かあったときのために当然親に許可をもらうんだろうけど、事後手続きということで、その辺は武田先生が日向ん家にでも行ってお母さんからサインなり判子なり貰ってくるんだろうな。それも、余計な仕事といえば余計なんだけど、今までに登場した日向のお母さんの感じからは、特に問題なしに許可もらえそうだから、それほど負担のかかる仕事ではないと思う。お母さんと先生が、お互い恐縮しあってる姿が想像できて楽しい。多分日向は、帰宅してからも、えらく怒られるでしょう。

日向は、白鳥沢戦で、マイナステンポのバックアタックを上げる場面で、サーブ下手、レシーブ下手、セットアップ・ブロック諸々中の下、って影山に評価されてたし、基礎技術はまだまだなんだろう。
ただ、今回も、影山とレシーブ練習する場面が入ってたし、基礎力を上げなければならないってのは、日向自身わかってると思う。


呼ばれてないのに押しかける、って確かに常識外れではある。普通はしない。自分なら考えもしない。
あちこち迷惑がかかるからという至極まっとうな理由に加えて、そもそも選ばれてないのに行くなんて、惨めになるだけじゃないか、と思う。少しでもプライドがあるなら、そんなことしない。
でも、日向はやった。影山に先に行かれて、月島にさえ置いてかれた。日向なりに焦りもあったとおもう。
日向がどこまで後先考えてたかはわからないけど、どこにも無断で、招待されてない合宿に乗り込んでいった時点で、ある程度のペナルティは覚悟してたはず。まあ、その覚悟がどの程度のものかはわからなかったけど、マイナス2度の雪の中、自転車で山超えするシーンの表情は、意識してるかどうかはわからないけど(日向はバカだから)、リスクを負って、でも先へ進む方向を選んだ顔なんだと思う。


209話「自己紹介」の扉絵は、日向と影山の王冠かぶったツーショットだった。このどっかで見たことあるなあと思った構図は、ハイキュー!!第2話の扉絵の2人だ。
宮城合宿のメンバーには、技術や基礎は日向よりないだろうと思えるような大型セッターや、2メートルがいる。

バレーボールは高さが重要、って最初に影山が日向に言った言葉だ。この競技について全く知らなかった時は、そんなものなのかなくらいに、たいして気にもとめなかったけど、実際の試合を見たり(テレビでだけど)、ちょこちょこいろんなとこで記事を読んだりしてくうちに、バレーボールに高さが重要って言葉は、えらく重い言葉なんだと少しわかった気がする。身体能力が高くて、技術もあって、努力もする。でも、高さがない。それで高いだけの(実際はそんな選手はいないと思うけど)選手にかなわないことがある。そういう意味では残酷な競技。

日向も変人速攻という武器を手に入れるまでは、飛んでも飛んでも高い壁にぶつかった。変人速攻を手に入れて、なんとか戦えるようになって春高出場まで来たけど、日向の高さの問題がどっかに消えたわけではない。日向が今の日向の体のままで(一気に成長する可能性だってないわけじゃないけど、先生次第で)この先もっと強くなるためには、高さに向き合って、なんとか道を探さなきゃいけない。そういう意味で、今回の扉絵は、日向が変人速攻を手に入れる前の状態にリセットした、再スタートを表してるように思えたんだけど。でっかい同年輩の中に入って改めて見えてくる茨の道なんだと思う。

同じ高さの壁にぶつかって、日向とは違う道を選んだ鷲匠先生も登場したことだし。

作者が描きたいのは、烏野高校男子バレー部のドキュメンタリーじゃないから、若干設定に無理があっても、日向に無茶をさせても、非常識という非難と浴びそうなところは、田中さんの笑いに集約されるように軽いタッチで流すように描いてるように思う。月島の横にドヤ顔で並ぶ日向と、冷や汗タラタラの動揺しまくるレアな月島をセットにして、日向の無茶を流してるんだと思う。
と語ってきたけど、まあ、この先の展開がわからない今の段階では、この合宿がどういう位置付けなのか実際のところわからないんだけど。


ハイキュー!!は、王様だった影山が徐々に変わっていくのが魅力で読んでたから、日向の事は影山の相棒かつ武器、ってくらいにしか思ってなかったんだけど、「ポジション・ボール拾い!!!」って宣言したところで、認識を改めました。これからどう戦っていくのか、ホント楽しみです。