立法府の長兼行政府の長になりたいのでしょうか

5月19日付の東京新聞に、安倍首相が国会答弁で、勘違いなのか意図的なのか不明だけど、自分のことを繰り返し「立法府の長」と名乗っている、という記事が載っていた。1度目は、2007年第一次安倍政権の時、参院憲法調査特別委員会で「私が立法府の長」と発言。
先月18日の衆院TPP特別委員会では、議員歳費についての質問に対して「立法府の長である私はそれについてコメントすることは差し控えたい」と発言。周囲から「行政府」と指摘されても、言い直すことはなかったという。
今月16日の衆院予算委員会でも、「私は立法府立法府の長であります」と明言。
記事のなかで、明治大学社会学の准教授は、これは単なる失言ではなく
『「首相の露骨な三権分立否定発言の背後には、首尾一貫した透明化作戦」がある」と推測する。透明化とは、想像もつかないひどい事柄も、少しずつ何回も繰り返し、人々がそれを日常風景のように感じ、注意を払わなくなるよう仕向けること。「一見、知性が低いような矛盾だらけの発言を、予測不能な奇襲のように繰り返す方法が効果的だ」』と言ってる。
安倍首相には、国民は愚かだから騙せるし、マスコミもコントロールできる自信があるのだという。

党首討論の一部をテレビのニュースで見た。憲法改正についての場面だった。安倍首相は、岡田さんに、そちらも草案を出してくださいよ、草案もなしに議論できないというようなことを言ってた。岡田さんはそれに対して、憲法を変える必要があると思ってないから出す必要はない、と言ってた。

それはそうだ。自民党は変えたいと思ってるから草案を出してるけど、変える必要が少なくても今はないと考えてるなら、そんなもの出せるわけない。お互い議論を深めようではありませんか、と首相はいうけど、この人のいう深い議論ってどの辺にハードル置いてんだろう、と疑問に思う。

安保法制の審議の時に、自衛隊員のリスクが増える増えないで、ずいぶん時間をとってやりとりしてた覚えがあるけど、普通に考えれば、兵站任務が入り、駆けつけ警護が入り、危険な地域での任務の種類が増えるのだから、隊員のリスクが増えるのは当然だと思うんだけど、リスクは増えない、という。日本全体の安全保障のリスクが減るから、隊員のリスクも増えない、という首相サイドの言い分を聞いてると、もはや確率の問題なんじゃないかと思ってしまう。
全然噛み合わない堂々巡りの議論を聞いていたから、この人の言う議論を深めるという言葉が、空しい。すっごく空しい。
これも、「透明化作戦」というやつだったんだろうか。

知性が低いような矛盾だらけの発言を繰り返すのが効果的、というけど、そもそも矛盾だらけの発言を繰り返すのって、本人は辛くないのかな。自分で言ってて嫌になったり、ストレスたまらないんだろうか。
知性が低い矛盾だらけの発言だと思ってなければ問題なしか。