シリアの報道を読んで

シリアの反政府派のコントロール下にある町へ支援物資を運んできた国連のトラックが、町を包囲する政府軍に止められ支援物資を届けることができなかったという記事を何日か前に読んだと思ったら、この土日に、シリア政府がダマスカス近郊の反政府派の支配する2つのエリア(政府軍が包囲している)から、高校生数百名が政府の支配エリアへと出ることを許可したという記事がNYタイムズ(5月15日 ウェブ版)に載っていた。学年末試験を受けるため、だという。

2つの地域の1つはマダヤの町で、68人の生徒が試験を受けに町を出たという。

マダヤといえば、政権側に包囲され物資の補給が断たれて、住民は飢餓に瀕しているという報道を今年1月の初めの頃テレビで見た。12月から少なくても28人が餓死したのだという。
新聞記事などの報道によると、昨夏までは周辺のダマスカスやホムズに比べて比較的被害が少なかったというマダヤだけど、政権側についているヒズボラが攻撃を続けても反政府組織を落とせず、7月から包囲作戦に変えたのだという。反政府組織側は親政権側のシーア派の町を包囲。結局一番被害を受けるのはどちらの側も、住民たちだ。
1月の報道によると、冬になり草のスープすら食べられなくなったという。

その後マダヤの町がどうなっているのかよくわからなかったけど、とりあえずまだ政権側が包囲をしているということは、この記事でわかった。

マダヤでは、1月だけで16人が包囲に関連して死亡したという。それでも、政府軍は支援グループに限定的なアクセスしか許可してないという。
今年になって政府が、救援物資の運びいれを認め始めたため、生徒たちの健康状態は運動ができるまでには改善したとはいうけど。


市民への支援は限定する一方で、高校生には学年末試験を受けるのを認める。

政府支配下にない地域も含めて、政府は公的サービスをまだ供給してることを見せたいのだという。一方で空爆や市民の住む町を包囲して締め上げることで国民を殺しておいて、サービス供給も何もないだろうと思うけど。

マダヤの町から試験に向かった第9学年の生徒たちは、最初の検問所で、兵士たちに身体検査をされたと、記事にあった。確かに敵方の町から出てきた人間をチェックするってのは当然のことなのかもしれないけど。
9年生といえば中学3年くらいなのかな。平和な日本に比べてみても意味ないんだけど、自衛隊員が制服の中学生の身体検査をするところを想像してみると、なんて異常なシーンだろうと思う。