映画のワンシーンを見て思ったこと

WOWOWで放送していた『誘拐の掟』という映画を、途中から観た。
残忍な猟奇的殺人(時々誘拐)を重ねる二人組を追うことになった私立探偵が主人公。
依頼主はドラッグの売買で儲けてる人物だから警察へは届けられない。
警官時代のトラウマを背負った、冴えない中年の落ちぶれた探偵の、ザ・ハードボイルドって感じの映画だった。

主人公が、捜査の過程で知り合いになった黒人の少年が、銃を隠し持ってることに気付くシーンの、やり取りが印象的だった。少年は、まずいものを見つけられたと、銃を隠そうとするんだけど、彼は銃を取り上げ、少年に持たせる。で、安全装置を外し、撃鉄を下ろし、と、使い方を教えていく。こういう物騒な町だから、せめてきちんとした使い方でも教えるのかな、と思いながら観てたら、最後の段階で彼は少年に、銃を頭に当てて引き金を引け、という。一瞬、えっ?という顔をする少年(見ているこちらもわけがわからず同じ反応)に、今すぐ死ね、と、続けた。銃なんて持ってたらいずれはそうやって死ぬんだから、どうせなら今すぐ死んでしまえ、と。

そのシーンが印象に残ったのは、アメリカでは家庭内の銃の事故で毎年かなりの数の子供、それも幼い子供が亡くなってるという記事を読んだからかもしれない。
幼い子供は行動が読めないから思いもよらない事故に親は神経を使う。
タバコとかボタン電池の誤飲とか、階段から転落するとか。アメリカでは、そういう日常の事故にプラスして、銃の事故。おもちゃと同じようにいじってるうちに、誤って自分を撃ってしまうとか、家族を撃ってしまうとか。


毎年かなりの数の子供たちが犠牲(事故、だとしても犠牲という言葉はそう間違った使い方ではないと思う)になっていても、銃を持つ権利は自明なものとして声だかに主張される国。包丁が悪いんじゃない、マッチが悪いんじゃない、使う人間が悪いんだとはいうけど、銃はそれとは違う気がする。銃でもベーコンは焼けるかもしれないけど。