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最近”壁”って単語が気になってる気がする

ロンドン市長選を勝ったのは、労働党のカーン下院議員。ロンドンはもとより、欧米の主要都市では初のイスラム教徒の市長になるらしい。新聞報道によると対戦相手の保守党のゴールドスミス下院議員は父親が億万長者で、当選したカーン氏の父親はパキスタンからの移民のバス運転手と、対照的な家庭環境だったという。億万長者のゴールドスミス氏は、カーン氏とイスラム過激派を関連づけようとする露骨なネガキャンをしたというから、逆に有権者の反感をえらく買ったんだろうなと、想像するのは簡単な気がする。

アメリカ大統領選で、共和党の指名獲得をほぼ確実にしたらしいトランプ氏はイスラム教徒の入国禁止や、メキシコ国境の壁建設など、(他にもあるみたいだけど)いろいろ差別発言が話題になってる。ヨーロッパでも中東などからの難民の急増に対して、物理的な壁の建設をしてる国もあるし、極右政党の伸長には各国とも苦慮してるみたいだ。

かなり前のことだけど、パレスチナマラソンが開催されたという記事を読んだ時、8メートルの高さにもなるという、イスラエルパレスチナ側を分断する分離壁の写真を見て、カラフルな落書きが描かれていて、刑務所の壁とは違うけど、壁であることは確かで、こういう壁に囲まれた狭い地域で暮らすことは、どれほど圧迫感を感じるんだろうと思った覚えがある。

地続きで国境線のあるところに暮らしていると、壁を作って異質なものを内側に入れないという発想が自然と出てくるものなんだろうか。
物理的な壁、というものに対する感覚が、周りじゅうが海で囲まれてる国に暮らしてるのとでは、もしかしたらかなり違うのかもしれない。
物理的な壁は破るのも超えるのも、対象がはっきりしている分、対策は立てやすいかも。

少し前に、仕事中、ふと外を見たら、ヴェールをかぶった多分イスラム教徒の女性が外を歩いているのが目に入った。その頃よく新聞で、ボコハラムが少女をや女性を自爆テロ犯に仕立てるという記事や、パリのテロ事件後のイスラム教徒への過激な取り締まりの増加の記事などを見かけることが多かったから、その女性を見た時に、身近で自爆テロにあっていたら、こういう時にふと身構えてしまうのかもしれないなあ、なんてことをなんとなく感じてしまった。で、自分で驚いた。特に差別意識を持ってるとは思ってなかったんだけど、何も知らない人のことを何となくにせよレッテルを貼ってみたことには違いない。自分の中にも多分壁ってあるんだろうな。