ハイキュー!! 21巻 コンセプトの戦い 感想(3)

184話 『初めての感情』 14対15。スコアは白鳥沢のマッチポイント。牛島のスパイクを受けて小指を脱臼した月島が医務室から戻ってくるところから始まる。

月島初登場は、体育館を追い出された日向・影山がグラウンドの片隅で自主練をしてる時。やたら影山を王様扱いして、煽りまくり、読者には影山の過去を示唆するような登場だった。 
子供から勧められて初めてハイキュー!!を読んだ時は、絵がびっちりと隙間なく描かれていて、それがちょっとうるさい感じがして、1話2話くらいは読むのが辛かった覚えがある。それがガラッと変わったのは、影山の過去のトラウマが語られて、頂きの景色が書かれた話くらい。それでも、影山の過去が月島の口から語られた時は、本当、月島が憎たらしくて、なんて底意地の悪いキャラなんだろうと思った。そのイメージはずっとついて回ったんだけど、インターハイ予選青城戦で、菅原さんのアドバイスを受けて影山が月島に自分のトスのことを尋ねた時の、まっすぐ直球でこられると逃げられない月島という新たな一面を見た時に少し印象が変わったような気がする。

それでも、やっぱりお兄ちゃんのこともあって、自分からは絶対にあと一歩バレーボールにのめり込むことのないようにセーブしていた月島が、”月”シリーズのタイトルの話の中で少しづつ変化を見せていたとはいえ、こんな風に変わるとは思ってなかったんだけど。

この試合中、牛島を止めた時に、それまで封印していた感情が一気に出たようにバレーにのめり込む瞬間が訪れた。その時の、静かなガッツポーズも良かったんだけど、この回のラストの「馬鹿じゃないの  こんなの  日向じゃあるまいし」の次のコマの、月島の目の表情は、初めて見た高校1年生の戦う目だった気がする。まだ1年なんですよね。

月島の回であることは確かなんだけど、この回で一番好きなシーンは、実は、影山と月島のやり取りの2コマです。コートの中だけなんだろうけど、この二人の間に信頼感みたいなものができてきたみたいで、でも、絶対これ以上近くはならないだろうなあと思わせるような関係を予感させる。この二人のこの距離感が、すごく好きです。
14対15で始まったスコアは、影山のツーアタックがギリギリ決まって15対15。
やっぱ、相手のマッチポイントでツーアタックって、心臓止まるかも。

 

185話 『頑張れ俺の太腿』 このタイトルって、バレーボールでもバスケットボールでもサッカーでもテニスでもなんでもいいんだけど、相手がいて、走ったり飛んだり全力でやる競技をしてきた人ならではの表現なんだろうなあ、と思う。
白鳥沢戦は、月島(時々西谷さん)メインで進んできた印象が最後まで強いんだけど、この回では、それを支える先輩達、の中でも田中さん(と旭さん)に目を配ってくれて嬉しい。ついでにこの次の回、さらにその次の回の、牛島と西谷さんの凄さの伏線にもなってる。
スコアは、頑張った田中さんのスパイクが決まって、16対15。烏野のマッチポイント。


186話 『バレー馬鹿たち』 しょっぱなから、旭・牛島両エースのサーブミス。
でも、二人とも点数、点差のことなんか頭の端にも(少しはあるかな)ない。次に打つ時の修正点だけを考えてる。で、この段階でのそんな攻めのサーブが、強くなるチームと、そうじゃないチームの間のいかに大きな差であるかを、嶋田マートが説明してくれる。商店街は単に説明役のギャラリーという認識だったけど、考えてみれば、チーム組んで未だにバレーやってて、平日か休日かわからないけど、真昼間に仙台市民体育館まで応援に来てくれて、攻める気しかない二人のサーブにぞくっときたコマを見て、こいつらも、バレー馬鹿であることは確かなんだな、と思ったのも、単行本で読むからこその感想かも。
もう限界がきてるはずの足なのに、なおも空中で止まってるかのような美しい姿勢からのスパイクを繰り出す牛島を、”超バレー馬鹿”だとレオンさんが評したから、白鳥沢の中の牛島の存在が、はっきり見えた気がした。

日向にかつての自分の姿を重ねてしまわざるをえないんだけど、違う道を選んだ自分を否定することになるかもしれないから、ここは日向を否定せざるを得ない鷲匠監督。連載で読んだ時は、この人はバレー馬鹿であることをやめた人なのかもと思ったんだけど、今思えば、こんな風に自分の40年をかけて日向を否定したいと思うこと自体、人生バレーにかけてたバレー馬鹿なのかもしれないと、思えた。

 

白鳥沢戦は、面白かったけど、感想書くのにGW終わるとは思わなかったな。