ハイキュー!! 21巻 コンセプトの戦い 感想(1)

17巻野途中から始まった白鳥沢戦も、ついに決着を迎えた。

試合開始前に、白鳥沢がどのようなチームなのか、烏養コーチの説明はあったけど、21巻では、白鳥沢の鷲匠監督、烏野の烏養元監督の口からもそれぞれのチームの形が語られる。実はこっそり、決勝戦を見に来ていた及川さんの口からも、総まとめ的な2チームのスタイルの解説が入る。

白鳥沢はウシワカ以外もレベルが高くて、ウシワカのワンマンチームという表現は当たらないような気もするけど、それでも、この試合を通してみれば、ウシワカ対チーム烏野の戦いだったような気がする。

それにしても、圧倒的な才能の牛島に対して、チーム内に憧れ、羨望とは別の次元のマイナスの感情があっても決しておかしくはないような気がする。それは、全員のレベルが高いが故のマイナスの感情。

結構前の映画だけど”アマデウス”という、モーツァルトの生涯を描いた映画がある。モーツァルトの圧倒的な才能と、それに見合わないゲスな生活と態度を前にして、宮廷音楽家として音楽に真摯に向き合い、地位を築いてきたサリエリが抱く、絶望的な憧れと嫉妬と怒りを、もういいよ、と見てるこちらが根をあげそうになる程描いていた。
サリエリまでいくと違う漫画になっちゃうけど、そいういう種類のマイナスな感情が、少しくらい白鳥沢にあってもおかしくないような気がしたんだけど、全然ない。
特にそこんとこにこだわっていたわけじゃないけど、なんでかな、くらいに思ってた。

今回単行本で読み返して、なんとなく納得した。

白鳥沢戦の後半、一人で自チームの半分近い得点をたたき出してもう限界が来ててもおかしくないはずの牛島が、終盤にきて見せた、空中で止まってるかのような美しい姿勢からの、力強いスパイク。周りが圧倒されるような怪物ぶりを、レオンさんは、俺たちにとってウシワカを表するのに一番しっくりくる言葉は、”超バレー馬鹿”だ、といった。
そうか。白鳥沢の部員たちにとっては、ウシワカは、超バレー馬鹿なんだ。だから、マイナスが出てこないんだ。仲間でいることができるんだ。