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イエメンの報道から 

イエメンについて

今月18日から始まる予定の和平協議を前に、3日、イエメンのバハーハ副大統領が更迭されたという記事を読んだ。新たに副大統領に任命されたのは、軍高官のモフセン氏だという。

毎日新聞の記事によると、軍事的解決志向のハディ大統領と、和平推進派で外交関係の実務を担っていたバハーハ氏には、以前から溝が指摘されていたそうで、後任についたモフセン氏は、軍の要職を歴任し、前政権時代にはフーシの掃討作戦を指揮した経験もあるという。フーシ派やフーシと連携しているサレハ氏に対する強硬姿勢でも知られ、サウジアラビアと関係が深いという。

単純に対外実務担当の和平推進派が外され強硬派が後任についたとなれば、今度こそと期待されてる18日からの和平協議が、どうなるんだろうと心配されるのも当然だと思う。


ニューヨークタイムズの6日の記事では、先月イエメン北部の町の市場への空爆に使われた爆弾がアメリカの供与したものだとしたレポートを国際人権団体が発表したという。
現場で見つかった破片と、イギリスのテレビ局が見つけた破片の写真を分析して、使われたのはアメリカのMK84だと結論したという。
そう言われてもよくわからないから、検索してみた。MKはマークと読む、アメリカ軍の爆弾の種類らしい。


飛行機から投下する爆弾は、スマート爆弾と呼ばれる誘導爆弾と、ダム爆弾と呼ばれる無誘導爆弾があるそうで、MK84は無誘導爆弾に分類されるという。無誘導爆弾は投下したらもうどうこうできない。
賢いと言う意味で使われるスマート爆弾は、レーザー誘導やGPSなどで目標物に誘導される。現在の主流は、投下前に座標をセットするGPS誘導で、投下した航空機はすぐにその場を離れることができるから、投下する側にとっては攻撃される危険が減るというメリットがあるけど、事前に正確な座標軸をセットしないと誤爆につながる。費用もレーザータイプに比べて安いらしい。(アフガニスタンで国境無き医師団の病院が”誤爆”され多数の死者を出した出来事が以前報道されたけど、地上のアフガン政府軍の部隊とアメリカ軍の航空部隊側との連絡の不十分さが原因になってると言われてた。その時はああそうなんだと思っただけだけど、あれはGPS誘導の爆弾の座標軸の誤りのことを言ってたんだ、と、無誘導爆弾についての説明を読んで納得。)

マーク80シリーズは現在アメリカ軍で主に使われている無誘導爆弾で、爆弾の頭部や尾部に各種アタッチメントをつけることで、誘導爆弾に変身させることができるのが特徴だという汎用型でありながら、大量生産でコストが安いのだという。ダム(こちらは間抜けとかバカという意味らしい)だけど、スマートになる。
重さによって、4種類に分けられてる。250ポンドのマーク81から、最大重量が2000ポンドのマーク84。
非戦闘員への被害を軽減するため、アメリカ軍の戦闘機は500ポンドクラス(マーク82)を、通常使用してるという。
今回イエメンの市場で使用されたというのは、最重量のマーク84。このクラスを使うということは、市民の犠牲もあらかじめ織り込んでいるんだろうか。
爆弾が直撃した位置から、200フィート(多分約60メートル)ほどの所には確かにフーシ派の兵士がよく使うレストランがあったそうだけど、仮にそこを直撃したとしても、危害半径365メートルという2000ポンドクラスの爆弾を使うっていうのは、どういう意図なんだろう、と思う。


市場への爆撃では、少なくても97人が殺され、そのうち25人は子供だという。子供も多数犠牲になったこの攻撃には、世界各国から非難の声が上がり、ヨーロッパではサウジアラビアへの武器禁輸の声も上がり、国連事務総長も調査を要求してる。
でも、アメリカ国内では、オバマ政権が詳細を明らかにしないため、なかなか議論が盛り上がらないらしい。
アメリカは、情報や武器の供給など後方支援を妥当な範囲で行ってるだけだし、市民の被害が出ないようサウジ側に要請してるし、そのための協力も強化してるというけど、サウジ主導の空爆が始まった頃から同じことを報道で読んでるような気がする。