ハイキュー!! 20巻 「こだわり」 感想(3)

感想(2)を読み返してみると、影山の「俺には無理です」に、読者である自分が一番こだわっているのかもしれないと思った。「こだわり」というタイトルの通りにこだわってしまったみたいだ。

そんなこだわりを捨ててみれば、4セット終わって、両チームとも相手がどういうチームなのか嫌というほどわかって、お互いに後がない第5セット。ここで菅原セッターにすることで、ガラッとチームの雰囲気を変えたことは、読んでる方にも、白鳥沢戦全体を通してみたストーリーの起伏がついてよかったのかも。大きなコマで菅原さんが強調されることが目立つからか(菅原さん色白いし、ついでに髪も白いし)、全体に影山セッターの時より明るい感じがするし。

菅原さんについて、振り返ってみれば、4月に天才セッターが入ってきて、いろいろ自分の中で葛藤もあるだろう中で、自然体でチームの一員としてやっていくっていうことができるだけでもすごいことなのかもしれないと思う。同じポジションに天才がいて、試合に出るチャンスは本当にないかもしれない。それでも諦めずに努力をし続けるって、それこそ口で言うほど簡単なことじゃないんだろう。ハイキュー!!はそういうところを、軽やかに描いてしまうところが好きかも。

影山にとっては、技術的に学ぶところは多分ほとんどないんだろうけど、スパイカーのための実直で丁寧なセットアップと、うちのスパイカーはみんな強いという信頼。中学時代の影山に決定的に欠けていた、セッターにとっての大事な要素を、菅原さんは教えてくれた。ことさら声高に語るというやり方ではなく。いい先輩だなあ、とつくづく思う。スパイカーの信頼を得るというのは、自分がスパイカーを信頼することから始まるんだろうな。

そんな菅原さんが自分の枠をとっぱらって、果敢に挑むのが、ここでの全員シンクロ攻撃なんですよね。
一度ドシャットされても心折ることなく3度目に挑んで決めた。すごいなあ。ってとこで影山復活の予感に持ってくる流れが、すごく好きです。で、入って早々ダイレクトでセットする。大地さんと烏養さんと、ついでに主審のビックリ顔がいいですね。
第4セット後半、バテバテの影山が日向に速攻を上げる場面で、月島兄が「どこまでも強気なセッターだな影山君!」と言って、ドキドキソワソワしてたけど、周りがソワソワしてしまうプレーを、時々ぽんとやってしまうところが、セッター影山の一番の魅力かな。日向なしには成り立たないんだけど、たいていの場合。

単行本の楽しみの一つおまけページでは、ウシワカが安定していいですね。かめはめ波は、レッツでやってくれないかな。

とりもちとは、樹皮などからとる粘着性の物質を利用して作る接着剤のようなもので、枝などに塗り鳥が動けなくなったところを捕らえるものだけど、今はこれで鳥を獲るのは鳥獣保護法違反になるそうです。天童さんと鷲匠監督、いいですね。