事故から5年でないがしろにされる程度の教訓

東京新聞の調べによると、原発事故が起きた際の対策拠点として電力各社が原子力規制委員会に申請した16原発のうち11原発で、免震棟の計画を、当初計画より規模を縮小するなどの計画を縮小してることがわかったという記事が、今日の朝刊に載っていた。

そもそも免震棟は、2007年の中越地震の時、地震の影響で緊急時対策拠点の扉が歪んで開かなくなり、地元消防士などとの連絡が満足にできなくなった教訓から、原発に導入されることになったという。
福島第一にも設置され、『「あれがなかったらと思うとぞっとする。」後に国会事故調査委員会で、事故当時社長だった清水正孝氏は免震棟の役割をこう語った。』(2月7日付東京新聞より)というくらい重要な役割を果たした。
けど、事故は想定を超える厳しさで、放射性物質のついた粉塵除去のフィルターや、窓からの放射線の対策や、その他防護服、線量計などの数も足りないなど、新たな対策がその都度必要となったという。

実際の事故の教訓があって、各社そんなこと言われなくても十分わかってるはずなのに、コスト優先になるっていうのは、なぜそんな判断になったんだろう。
当初計画から規模や性能を低くし始めたのは、再稼動した川内原発が、『免震機能も、きちんとした水道施設もなく、約170平方メートルと狭い代替施設を当面の対策拠点とする方針を提示。その程度の施設で、規制委は十分と認めた。』(東京新聞記事より)のを見て、何もコストと時間をかけてちゃんとした性能のものを作らなくても、原子力規制委員会の再稼動審査に通ることを知ってしまったからだという。


記事の中で「東京電力福島第一原発事故の教訓はないがしろにされている」という一文があった。
ないがしろ。福島の事故からまだたった5年で、もう、ないがしろって。

多分、もうあんな事故など起きないだろうと思ってるんだろうな。そうでなきゃ、経済コスト優先なんて発想がでてくるわけない。

 

経営者には”研修”なんてないけれど、計画を縮小するという判断を下す立場の人間にも、研修を受けさせればいいのに、と思う。
福島の事故後の、免震棟内の状況をバーチャルリアリティで再現して、その中に突っ込めばいい。それからリアルなシュミレーション体験をさせる。8時間の体験をしたら快適な空間に帰って、心身ともリフレッシュするなんてことはもちろんなし。24時間ぶっ続けに、食事も、入浴も、睡眠も、全て当時を再現した体験を3日もやれば、いったん事故が起きたらどれほど過酷なことが起きるのか、身にしみるかもしれない。たぶん。
それでも低コストで、審査を早く通すことを優先する判断を下すだろうか。