ハイキュー!! 第189話 宣戦布告・2  感想

試合終了の笛の音は、いつも突然だ。あと1点を追い求めるゲームと、時間の枠内での点の取り合いのゲームでは試合の終わり方が違う気がする。緊張の高まりの中で突然吹かれるゲームセットの笛。だから、日向と影山はいつも同じ表情をする。2人のこの表情はいいな。その後3年生も潔子さんも監督もコーチもみんな涙するんだけど、日向と影山は試合中の緊張感からまだ抜けきってないという表情で、菅原さんにくしゃくしゃされてた。(月島もいつも通りだったけど)。

鷲匠監督が日向に向けて言った、茨の道、は、監督自身が諦めて進まなかった道だ。たぶん進まなかったことへの未練を若干残しながら。
これから日向がどれくらい成長するかわからないけど、スパイカーとして上のレベルで求められるほどの身長になるのは厳しいだろうから、監督の言うとおり茨の道になるんだろう。どこかの時点で超えられない壁も出てくるかもしれない。それでも日向は進み続けるんだろうと思う。

「負けるなんて思わないじゃないですか」と放心して言った後に湧いて出る涙。多分涙を流さなかったのは天童さんと牛島だけだと思うけど、他のメンバーも、監督の前に立った時には、もう涙は見せずに顔を上げた。なんか強豪校の規律って感じがして、白鳥沢いいなあ、と思ったシーンでした。

第5セットは、21・19で烏野。ここまでの流れを振り返ってみた。
日向がゲスにドシャットされた後、田中さんが決めて、19・18で烏野のマッチポイント。次の田中さんのサーブは綺麗にレシーブされ、五色が決めて、19・19になった。次の白鳥沢のネットにかかって落ちたサーブを西谷さんが飛び込んで拾って、ダイレクトに返ったボールを五色が打ち込んだ。これが決まれば白鳥沢がマッチポイント、になるはずだった。でも西谷さんのスーパーレシーブでつながって、旭さんが意地で決めて、20・19と烏野のマッチポイント。
ここで月島IN、日向がサーブで後ろに下がった。

日向がサーブを打ったところで、影山が日向をポイしてポジションチェンジ。
これがなぜなのかよくわからなかったんだけど、今回及川・岩泉の解説があって、なんとなく納得。
月島の仕掛けたブロックの罠、うまく牛島がかかってくれればいいけど、もしかからなかったら、クロスに打たれる。そうなったら、日向よりは自分の方がレシーブ出来るし、仮にストレートを締めきれず抜かれたとしても、コースがギリギリ絞られてれば、日向でも拾えるだろう、ってことなのかな。1本目の3枚ブロックはストレート締めきれず日向がぶちあたり、2本目のブロックはストレートは締めたけど止めることはできずクロスに打たれて、影山くんがギリギリ受けた、あまりのパワーに跳ね飛ばされてはしまったけど。
簡単に日向をポイしてたけど、一瞬でそこまで可能性を読んでたってことなんだとしたら、なんて回転の早い頭なんだろう。容量少ないとは思えないんだけど、使い道が限定されてるのかもしれない。
20・19から、最後の1点を取るまで、ラリーが続いた。その中で牛島は2回スパイクを打ち、日向も2回。ラストの日向のスパイクは5人シンクロの中の1本だった。結局、打ったのは日向だけど、決めたのは全員で、ってことになるのかな。

影山くんのいい仕事は、とりあえず及川・岩泉に認めてもらったから、まあいいか、って感じですね。多分いつまでたっても、及川さんにとって影山はくそカワイイ後輩なんだろうな。「ムカツク程見えてやがる」って、及川さんの言葉で、最初の3対3の時にコート上の全部を把握するのはしんどいけど面白いといった影山の言葉を思い出した。セッターにとっては、試合展開の読みとコート上を把握する広い視野ってのが、大切ってことなんでしょうか。

山口はいつも月島の陰に隠れてるような感じなんだけど、ちゃんと対等のいい友人になってたんですね。ちょっと考えすぎてひねすぎる月島にぴったりの言葉を、いいタイミングでかけられるんだから。試合の振り返りはちゃんとして次に活かさないといけないけど、今はさっさと前を向いていこう、って月島には必要な言葉ですね。


ゲスブロックって、決してやってはいけません、とバレーボールのサイトに書いてあったのが印象的だった。トータルディフェンスという、ブロックとレシーブが組織的に位置取りをして穴をなくしていこうとするディフェンスの考え方の中では、ゲスは単に邪魔になるだけの可能性の高いブロックのタイプかな?と素人なりの聞きかじり的理解をしてた。
普通は避けるべきゲスブロックだけど、個々の能力の足し算というスタイルの白鳥沢の中には、ある種天才的なゲスブロックの才能を持っていて、本人もそれにこだわる天童さんの存在場所がちゃんとあった。それこそ、”俺の楽園”だったんだろう。そこまで個人に拘る白鳥沢って、古臭い戦術のチームというより、ある意味特異なチームなのかもしれない。
でも、この先バレーボールを続けていく上で、選手としては天童さんどうするんだろう、監督も先のことまで考えてあげないのかなくらいに思ってたんだけど、まさか高校でやめる気でいたとは。だからこそのゲスへのこだわりで、監督もそれの追求を天童さんに求めていたんだと思うと、ちょっと、2人を見る目が違ってくる気がする。単行本で読み返した時、そう思って読んだら、天童さんを別の角度から見ることができるし、それは楽しみで今からワクワクしてしまうかも。

前にあった学食での天童さんと牛島の会話のシーン、全然かみ合ってないけどなんか成立してしまうゆるい感じがすごく好きなシーンだったんだけど、戦い終えてのストレッチのシーンでの会話もいいなあ。天童さんのゆるいツッコミに真正面からそのまんま返答する牛島。この試合の中では、月島の変化がすごかったけど、多分牛島も変化したんだろうなあと思わせる答えだった。良い悪いではなく、日向が、何か牛島の感情を揺さぶる存在になったんだと思う。

試合を終えて、日向は立てないとか言ってるし、影山は相変わらず日向に悪態ついてるし、この二人が試合の勝利に浸ってる的なシーンがなかったんだけど、牛島にかけられた言葉が、二人にとって何よりだったのかもしれない。1年と3年というのも大きいのかもしれないけど、準決勝、決勝と、勝ってはいるけど、影山は及川さんに勝った気は全然してないみたいだし、日向は牛島に完敗した気分みたいだし、2人がただ喜ぶシーンっていうのも見たい。全国では見られるかな。


日向・西谷・田中の食い散らかし方の汚さに比べて、同じように半分眠りながらも茶碗を離さない影山くんの食べ方の綺麗なこと。この前も思ったんだけど、日向も影山も(他の人も?)ちゃんと正座して食べてるお行儀のいいとこと、まだまだ一番下っ端な感じも出てて、食事シーンは結構好きです。
微笑ましい食事シーンの後は、いよいよ全国に向けて次の段階が始まる期待感に溢れる見開きだった。
烏野は宣戦布告をした。次はどこだろう。