自分の中でイメージが変わった国

新聞によると、「サウジアラビアは15日、テロ組織との対峙を目的に、イスラム教スンニ派の国家を中心に34カ国の連合組織を発足させたと発表した。サウジのムハンマド国防相は、ISだけでなく、他のテロ組織も視野に入れていると説明。エジプトやトルコなど湾岸や中東だけでなくナイジェリアやマレーシアなどアフリカとアジアの国々も参加するという。一方、シーア派系政府のイランやイラク、シリアは参加国に含まれていない。スンニ派の大国サウジには、スンニ派の結束を高めて自国の影響力を拡大させたい意図がありそうだ。また、サウジの国内事情を指摘する声も出ている。ムハンマド氏は現サルマン国王の息子。将来の国王選びをにらみ、連合の結成でムハンマド氏の成果を強調する狙いがある可能性がある。」(東京新聞2015・12・16)

アラビア半島の先端で、イエメンとは隣同士でホルムズ海峡を挟んでイランと向き合うオマーンは、この連合に加わってない。サウジ主導のイエメン空爆にもオマーンは参加してない。イエメンで囚われていたアメリカ人何人かの解放に一役買ったのも、オマーンだという記事も割と最近あったような記憶がある。
イランとは良好な関係を保っているみたいだし、何かの報道で主役になって登場することはあまりないみたいだけど、仲介役みたいな感じでちょこちょこ名前を見かける気がする。 

この夏、フランスの避暑地でサウジアラビアの国王が夏休みを過ごした時に、そのあまりの豪勢な夏休みの様子を羽鳥さんのワイドショーで見た覚えがあるけど、サウジアラビアって、ずっとそんな感じの、どこか遠い浮世離れした金持ちの国ってイメージだった。オイルマネーのリッチで鷹揚な王様の国。金持ち喧嘩せず、って感じ。
そのイメージが変わってきたのが、3月から続くイエメンへの執拗な空爆の報道を見るようになってから。市街地への空爆は当然市民の犠牲が大きい。生活必需品のほとんどを輸入に頼る国なのに、海上封鎖を続ける。空爆にも封鎖にも国際的非難は上がっていたのに、ものともせず続けた強硬な姿勢。15日から一時停戦と和平交渉が始まったというから、それも終わるのかもしれないけど。

オマーンサウジアラビアも、これまでリッチなオイルマネーの中東の国ってことくらいしか知らなかったけど、(基本的にはよく知らない国であることにはかわりはないけど)3月の空爆以来イエメンの報道を通して、この二つの国のイメージが自分の中で、随分と変わった気がする。

空爆を始めた頃、サウジアラビアは、フーシ派がイランの傀儡だと主張してたけど、イエメンにいた西側の外交官も、フーシ派自身も、イランの援助は受けてるけど、傀儡という事実はないと否定していた。内戦状態になってから、その辺がどうなってるのかよくわからないけど、どこか外からの援助がなければフーシ派も戦闘を続けられないだろうし、むしろ、イランとへの依存が深まってるってことはないんだろうか。
アメリカ他とイランは核交渉の合意をして地域が平和と安定に向かうのかと思いきや、今まで以上に湾岸諸国はアメリカから武器の購入をするみたいだし、安全保障って言葉は一体なんなんだろうって思う。とりあえず簡単に”平和”って言葉は使えない、ってことだけはわかった気がする。

そういえば、ドイツの情報機関がサウジアラビアの先行きを危ぶむメモを報道機関に出したという報道が、最近あった。ドイツ政府は否定的反応だったと思う。
サウジアラビアは今年国王が代替わりして、現国王の息子が副皇太子(という言い方なのかどうかよくわからないんだけど)になった。まだ30歳になるかならないかくらいの若い王子は、防衛、石油と、重要ポストに任命されて、権力が集中しつつあるらしい。権力の集中に加えて、現国王が存命中に王位継承を固めようという試みがあれば、ロイヤルファミーリー内の動揺を招き、地域の同盟国との関係にも緊張を招く潜在的危険に成りうる、みたいな分析だった。今日の新聞にあった、34カ国の連合組織発足も、「ムハンマド氏の成果を強調する狙いがある可能性がある。」という見方もあるみたいだし。